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【国際】

米国務長官解任で中東に影 イラン核合意見直しか

 【カイロ=奥田哲平】米国のトランプ大統領によるティラーソン国務長官の解任で、欧米など6カ国とイランが2015年に結んだ核合意の修正など米国の中東外交の見直しが進むとの警戒が強まっている。トランプ氏と考えの近いポンペオ中央情報局(CIA)長官が後任に選ばれたことで、専門家は「米国はブレーキのない車になった」と指摘する。

 トランプ氏は今年一月、イランの核開発を制限する代わりに経済制裁を解除した核合意について、欧州各国に弾道ミサイル開発制限やウラン濃縮活動の無期限禁止などを追加するよう要求。実現しない場合は離脱すると警告した。

 米政府は制裁再発動の是非を百二十日ごとに議会に報告することになっており、次の期限は五月。イランのアラグチ外務次官は十四日、イラン国営通信ISNAで、ティラーソン氏解任について「核合意からの離脱という目標ありきだ」と神経をとがらせた。景気回復を軌道に乗せたいロウハニ政権にとって、原油輸出の再開が認められた制裁解除の維持は必須だ。

 米国の要求に基づき、米英独仏四カ国は高官レベルで核合意を巡る協議を進めている。ザリフ外相は十三日、ツイッターで「米国が(大統領任期の)四〜八年間だけのために署名するなら、いかなる合意にも関心を持つ人はいないだろう」とイラン抜きで修正が進む事態をけん制した。

 一方、昨年六月にサウジアラビアやエジプトなど中東四カ国が国交を断絶したカタール問題にも影響は及びそうだ。サウジ寄りが鮮明なトランプ氏に対し、ティラーソン氏は中立的な仲介外交に徹し、湾岸協力会議(GCC)の分裂回避を模索していた。

 カイロ大のハッサン・ナファ教授(政治学)は「ブレーキ役のティラーソン氏解任は、イランとカタールにとって最悪の知らせだ。サウジはカタールへの圧力を強めるだろう。米国が、イランが軍事拠点を築くシリア攻撃に踏み切ることもあり得る」と指摘した。

 

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