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【国際】

中国「習王朝」へ始動 経済失速すれば批判も

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 【北京=安藤淳】中国の全国人民代表大会(全人代)は二十日、政府活動報告などを採択して閉幕し、習近平(しゅうきんぺい)国家主席の二期目が本格始動した。今回の全人代は、国家主席の任期を撤廃する改憲によって習氏の長期君臨を可能にし、「習王朝」の始まりともいえる中国政治の大転換となった。だが対米摩擦や経済構造改革などで処理を間違えば、国民の不満は習氏に直接向かいかねない。

 「中華民族の偉大な復興を必ず実現させる」。習氏は閉幕式での演説で愛国心を鼓舞し、「世界一流の武装体系を形成する」と軍事強国化への決意を示した。「中国は永遠に覇権を唱えない」とする一方、「世界の統治システム変革と建設に積極的に関与する」と、中国主導の国際秩序構築にも自信を見せた。

 また台湾を巡り「一切の祖国分裂活動は必ず失敗し、人民の批判と歴史の懲罰を受ける」と述べ、「一つの中国」の原則を認めない蔡英文(さいえいぶん)政権をけん制した。

 毛沢東独裁の反省から故〓小平氏が苦心の末に確立させた主席任期の制限と集団指導体制は、改憲が破壊した。栗戦書(りつせんしょ)全人代委員長は「習同志はまぎれもなく党の核心、軍の統帥、人民の領袖(りょうしゅう)」と持ち上げ、個人崇拝の懸念も高まる。習氏の盟友王岐山(おうきざん)氏を国家副主席として復活させる異例の人事も実現した。

 習政権は王氏が率いた反腐敗運動で人気を高め、国民は「中国の夢」に酔う。民主的手続きを省き素早く意思決定できる「利点」を生かし、ビッグデータや人工知能など最先端技術をいち早く導入して発展する。

 しかし、石炭や鉄鋼の供給過剰や地方政府債務の拡大、少子高齢化など難題は山積する。対米関係が悪化し保護主義が高まれば、輸出に依存する中国経済は打撃を免れない。国民の不満を利用して政敵が権力闘争を仕掛ける可能性も残り、「王朝」の足元は常に揺らぐ危険性をはらんでいる。

※〓は登におおざと

 

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