東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 国際 > 紙面から > 3月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【国際】

中国、反腐敗運動の一環か 二重国籍の禁止 厳格化

上海浦東国際空港で2月、航空会社のカウンター前に列をつくる人たち=浅井正智撮影

写真

 【上海=浅井正智】中国政府が国外に住む中国人のうち、二重国籍保有者や長期在住者について、中国の国籍・戸籍を抹消する方針を示し、波紋を広げている。当局は「人口抑制」を目的に挙げるが、腐敗に関わる役人やその家族が二重国籍を持っている場合、容易に出国できることから、強硬な方針は反腐敗運動の一環との見方も出ている。

 中国はもともと憲法で「二重国籍を認めない」と規定。「外国に定住し外国籍を取得した場合、自動的に中国籍を喪失する」と定める。ただ、これまで厳格に適用されてこなかった。

 適用厳格化の動きは、在英中国大使館が先月、ホームページに「特別注意」を掲載し、「違法に所持している中国のパスポートは抹消し、中国入国を認めない」と在留中国人に警告したことで表面化した。

 今月に入って上海市公安局が「常住戸籍管理規定」を公布、五月一日から施行すると発表した。在外中国人が当局から通知を受けて一カ月以内に所定の手続きをしなければ、戸籍が抹消される。手続きをしても、二年間のうち中国国内に居住する期間が六カ月に満たないと、やはり戸籍が取り消される。上海の管理規定は全国に先駆けたもので、モデルケースとして今後、各地に広がる可能性がある。

 中国では、戸籍は教育や医療保険、年金など公的サービスを受ける上で不可欠なものだ。戸籍を失えば、中国に戻っても日常生活に重大な支障が生じる。

 厳格化する目的について上海市は「人口の増加を抑制するため」と説明している。一方、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは、「二重国籍は腐敗役人を保護し、反腐敗運動を困難にしている」との識者の見方を伝えており、二期目に入った習近平(しゅうきんぺい)政権が、不正蓄財などに目を光らせる反腐敗の新たな武器にする可能性もある。

 国家僑務弁公室によると、世界に散らばる中国人は約六千七百万人。米英仏など二重国籍を認める国も多く、相当数の中国人が二重国籍を持つとみられる。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報