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【国際】

大統領選 盛り上がらず エジプト、きょうから投票

 【カイロ=奥田哲平】任期満了に伴うエジプト大統領選の投票が二十六日、三日間の日程で始まる。候補者はシシ大統領(63)と少数政党ガッド党のムーサ・ムスタファ党首(65)の二人だけで、シシ氏の再選が確実だ。選挙戦は盛り上がりに欠け、政権側は投票率に気をもんでいる。

 大統領選を巡っては、立候補を表明した元軍参謀総長や元首相ら有力者が次々と拘束されたり、出馬辞退に追い込まれた。すでに結果の見えた選挙に、投票率は二〇一四年の47・5%を下回る結果が予想される。

 シシ氏が初当選した前回は、二日間の投票率が37%にとどまったため、選挙管理委員会は一日延長した。今回は当初から三日間に設定し、盛んに投票を呼び掛けるテレビCMを放送している。

 シシ氏は二十日に地元テレビに登場し、「私は十人の候補者が出るのを望んでいた」と、政敵排除との見方を否定。「もし私を選ばなくても、大事な一票を尊重する。エジプトは国民が統治していると世界に主張すべきだ」と語り、高い投票率で政権の正統性を示したい考えだ。

 ただ、シシ氏が支持者の選挙運動に参加することはなく、唯一の対抗馬ムスタファ氏も目立った活動はなかった。二十一日の会見では選挙公約を提示しない理由を問われた同氏でさえ「シシ氏の公約はよくできている」と語るなど、事実上の信任投票になっている。

21日、カイロ市内の自宅でインタビューに応じるサバヒ氏=奥田哲平撮影

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◆元候補サバヒ氏 独裁強める政権に懸念

 野党勢力は「選挙は茶番だ」として、投票棄権を呼び掛ける。二〇一四年の前回大統領選に立候補し、シシ氏に敗れた左派系の元国会議員ハムディン・サバヒ氏(63)が取材に応じ、独裁色を強める政権に懸念を示した。

 野党八政党は一月末、「家にとどまろう」と棄権を訴える運動を始めた。これに対し、政権に近い弁護士が「憲法を無視した」として検察当局に告発している。サバヒ氏は「シシ氏は『エジプトには発言の自由がある』と言いながら、これが現実。抑圧的な動きに出るのは、国民の支持がないと自覚しているからだ」と批判する。

 現行憲法では、大統領職は二期八年までと定められている。サバヒ氏は、シシ氏が再選後の四年間で、任期延長などの憲法改正を見据えていると指摘。「改憲が実行されれば、国民の怒りに火をつける可能性がある」とみる。

 ただ、野党側は対抗軸を提示できず、投票棄権の呼び掛けが浸透しているとは言い難い。エジプトは一二年の大統領選でイスラム主義組織ムスリム同胞団出身のモルシ氏が当選したが、一三年にシシ氏(当時国防相)率いる軍のクーデターで追放された。サバヒ氏は「軍でもイスラム勢力でもない、第三の道を早急に提示する必要がある」と語った。 (カイロ・奥田哲平)

  

 

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