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【国際】

マレーシア、偽ニュースに罰金・禁錮案 人権団体「恣意的逮捕の恐れ」

 【バンコク=山上隆之】事実に基づかない情報発信を取り締まるため、マレーシア政府が連邦議会下院に提出した「フェイク(偽)ニュース対策法案」が、国際人権団体などから「言論の自由が奪われる」と批判を浴びている。虚偽かどうかを判断する基準が明らかにされていないなどの理由からだ。法案は下院で審議中で、ナジブ政権は週内の可決を目指している。

 国営ベルナマ通信によると、政府は「国の公序良俗を脅かす偽ニュースの流布を抑える」(アザリナ・オスマン首相府相)として三月二十六日に法案を提出した。偽ニュースを流した場合、国内メディアだけでなく、外国メディアも最高五十万リンギット(約千三百七十万円)の罰金や六年以下の禁錮刑が科される可能性がある。

 政府内には外国メディアの報道に「偏っていて、バランスを欠く。数年前の記事を使い回し、政府やナジブ首相を攻撃している」(サレー・ケルアック通信・マルチメディア相)との不満が渦巻く。

 政府系ファンド「1MDB」からナジブ氏の個人口座に資金が流れていたと米紙が二〇一五年に報じた。政府は捜査の結果、事実でなかったことは証明されているとして、偽ニュースと位置付けている。

 国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルは「何が虚偽なのかが曖昧で対象範囲も広く、恣意(しい)的な逮捕につながる恐れがある。政府への批判を封じる狙いがあるのは明らかだ」と廃案を要求。ヒューマン・ライツ・ウオッチも同様の声明を出した。

 地元メディアはナジブ氏が近く下院を解散し、総選挙に踏み切る可能性があると伝えている。1MDB問題をきっかけにナジブ政権の打倒を目指し、野党連合の首相候補として出馬を予定するマハティール元首相は記者団に「危険性をはらんだ法案は成立を急がず、選挙後に時間をかけて議論すべきだ」と語った。

 

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