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【国際】

東グータ反体制派、最後の一派が撤退 アサド政権軍が奪還へ

 【カイロ=奥田哲平】シリアのアサド政権軍による猛攻が続いていた首都ダマスカス近郊の東グータ地区で二日、最後まで抵抗を続けた反体制派「イスラム軍」の戦闘員らが地区外に退去を始めた。シリア国営テレビが伝えた。撤退が完了すれば、政権側にとっては反体制派の一大拠点を奪還し、首都周辺の統治を回復する成果となる。

 イスラム軍は正式な声明を出していないものの、汎(はん)アラブ紙アッシャルク・アウサットは二日、政権軍の後ろ盾になっているロシアとイスラム軍が撤退で合意したと伝えた。政権支配下に入るのを望まない戦闘員とその家族は、北部のトルコ国境の町ジャラブルスに移送されるという。

 東グータは二〇一三年以来政権軍が包囲し、食料や医薬品の不足で深刻な人道危機に陥った。政権軍は二月中旬から攻勢を強め、これまでに千六百人以上の市民が死亡した。

 犠牲者の急増を受け、国連安全保障理事会は二月下旬に三十日間の停戦を求める決議案を採択したが、ロシアと政権側は反体制派を「テロ組織」とみなして無視。欧米主導の国際社会の無力さを露呈した。シリア人権監視団(ロンドン)のアブドルラフマン所長は「反体制派が初めから撤退を受け入れていれば、多くの市民が巻き添えになることはなかった」と指摘した。

 次の焦点は、劣勢に追い込まれた反体制派の諸派や国内避難民が集結する北西部イドリブ県に移る。イドリブは、ロシアとイラン、トルコ三カ国が昨年創設した安全地帯の一つで、二百万人以上が暮らす。政権軍が今後、本格的な掃討作戦に踏み切れば、住民が新たな難民となって国内外にあふれ出す恐れがある。

 

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