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【国際】

ケニア国立公園に鉄道建設 中国に許可 自然保護団体が非難

3月29日、ケニア・ナイロビ国立公園内の鉄道建設に使われている機材(中央奥)。周囲には数多くの野生動物がいた=共同

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 【ナイロビ=共同】ケニアの首都ナイロビで二月下旬、中国の国営企業が国立公園を縦断する鉄道の建設を始めた。野生動物への悪影響が懸念され、裁判所は工事差し止めを命じていたが、中国と親密なケニア政府が許可し強行。自然保護団体は「政府は中国の言いなりで、堂々と法律を破っている」と非難している。

 緑のサバンナ一帯に、不釣り合いなクレーン車やショベルカーが数十台並んでいる。草を食べる動物たちの近くで地面を掘削し、騒音が響き渡った。首都中心部から車で約十分のナイロビ国立公園。広さ約百十七平方キロの広大な敷地に、ライオンやキリンなど百種類ほどの哺乳類が生息し、多くの外国人旅行者が訪れる。

 建設計画によると、高さ約八〜四十メートルの柱を百本以上建てて高架鉄道を通し、国立公園の中央部を約六キロにわたって貫く。鉄道はナイロビと中部ナイバシャを結び、建設資金の大半を中国が融資した。中国は将来的に周辺国ウガンダやルワンダ、南スーダンに鉄道網を延伸する予定だ。

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 計画は数年前に浮上し、自然保護団体が中止を求め嘆願書を提出。ケニアの裁判所は昨年、工事中止を命じたが、発注したケニア国鉄の幹部は、地元テレビの取材に「市街地だと(立ち退き料など)費用がかかるため、国立公園に造ることに決まった」と明かした。

 東アフリカの玄関口ケニアでは中国の進出が著しい。「親中派の閣僚が多く、中国の影響力が国中に浸透している」(外交筋)のが現状だ。国立公園を運営する野生生物公社の職員は、地元紙に「(建設に反対しないよう)さまざまな圧力をかけられた」と証言した。

 自然保護活動家らは抗議デモを行い「ケニアの宝である大自然が破壊されてしまう」「裁判所の命令を無視した工事は違法だ」と、批判を強めている。

 

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