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【国際】

元スパイの娘 争奪戦 ロ、面会権利主張 英は工作活動警戒

 【ロンドン=阿部伸哉】英南部ソールズベリーでロシア軍参謀本部情報総局(GRU)のセルゲイ・スクリパリ元大佐(66)と娘のユリアさん(33)が猛毒の神経剤で襲われた事件で、意識を取り戻したユリアさんを巡って早くも英ロの攻防が激化している。

 ロシア政府はユリアさんの親族が面会する権利を主張するが、英政府はロシアの工作活動を警戒し、親族へのビザ発給も拒否。被害者で重要な捜査情報を持つユリアさんを囲い込む構えだ。

 英内務省は六日、ユリアさんのいとこでロシアに住むビクトリアさんの英国訪問ビザ申請を「入国管理規定にそぐわない」として拒否。どの規定に反しているのかはっきりしないが「ロシア人はだれであろうと近づけない意思表示」(英紙ガーディアン)とみられる。英メディアによると、ビクトリアさんはユリアさんを母国に連れて帰る考えだという。

 ロイター通信によると、ロシア外務省のザハロワ報道官は英政府の決定に対し「説明を要求する」と述べ反発した。

 英ロの二重スパイとしてロシアで有罪となり、スパイ交換で釈放され英国に住む父と違い、ユリアさんはモスクワに住所を持つロシア国民。父を訪問中に事件に遭った。ヤコベンコ駐英ロシア大使は五日の会見で「いとこがユリアさんに面会するのは人道的な権利」と強調した。

 すると会見の直後、ロンドン警視庁は「ユリアさんの声明」とする文書を本人の代わりに発表。「回復の時期で、私たちのプライバシーを尊重してほしい」と面会を遠回しに断るような表現が盛り込まれていた。英外務省は、在英ロシア大使館からユリアさんに「支援」申し出があったが「彼女は受け入れていない」と明らかにした。

 ビクトリアさんは英テレビ局スカイニューズとの電話インタビューで、ビザ発給の拒否について「(英政府は)何かを隠している」と批判。ロシア政府から何らかの指図があったかと問われると「政府には政府の言い分がある」と答えるにとどめた。

 ユリアさんが入院する病院によると、スクリパリ氏の容体も回復に向かっている。

 

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