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【国際】

「人々 泡を吹き死んだ」 シリア化学兵器疑惑 住民証言

8日、シリア・東グータ地区ドゥーマでの化学兵器によるとみられる攻撃後、手当てを受ける子供=ゲッティ・共同

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 【カイロ=奥田哲平】シリアの首都ダマスカス近郊の東グータ地区ドゥーマで起きた化学兵器使用の疑いがある攻撃をめぐり、地元住民が本紙の電話取材に「たる爆弾が投下され、有毒ガスが発生したのは間違いない。人々は口から泡を吹き、目を開いたまま亡くなっていた」と証言した。しかし、関与を否定するアサド政権やロシアが同地区をほぼ奪還しており、真相究明が難航するのは必至だ。

 現場に駆け付けた活動家アブハンマンさん(22)は「地下室から逃げ出した人たちが階段で力尽きていた」と振り返る。政権軍の包囲攻撃を受け続けた東グータでは、住民の多くが地下施設で避難生活を送る。「国際社会への希望は消えた。いくら証拠があっても攻撃を止められない」と嘆く。

 国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチの集計によると、シリアでは二〇一三年八月〜一八年二月に化学兵器による攻撃が八十五件発生し、五十件以上にアサド政権が関与したという。東グータでは二月下旬にも塩素ガス弾が使用された疑いがあるが、政権側は一貫して否定、反体制派の「自作自演」と主張する。

 欧米は軍事攻撃も辞さない構えだが、実際の使用者を特定するのは難しい。七年に及ぶシリア内戦はアサド政権の軍事的優位が確定し、化学兵器に頼る必然性は低い。一方、七日の攻撃は東グータで唯一抵抗を続ける反体制派「イスラム軍」との交渉が決裂し、戦闘が再開されたタイミングで起きた。

 反体制派の拠点だった東グータには二月下旬から政権軍が進攻し、市民千七百人以上が犠牲になったとされる。反体制派を壊滅させる強硬姿勢を示す目的で、化学兵器を使用した可能性は残る。イスラム軍は八日夜、地区外への撤退を開始しており、政権軍の完全制圧は間近に迫っている。

 

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