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【国際】

「化学兵器 50回使用」 米国連大使、政権側を批判

 【ニューヨーク=共同】国連安全保障理事会は十三日、トランプ米政権が軍事攻撃を検討して緊張が高まるシリア情勢についての公開会合を開いた。グテレス事務総長は「私たちは事態が制御不能になる危険に直面している」と強い懸念を表明。化学兵器使用を巡る独立した徹底調査の必要性を訴えた。

 米国のヘイリー国連大使は、シリアのアサド政権が化学兵器を内戦下で少なくとも五十回使用したとの推計を明らかにし「日常的な使用を許せば全ての国に害が及ぶ」と主張した。

 ただ、この日の会合でもアサド政権の後ろ盾のロシアと、米英仏が激しく対立。化学兵器使用の責任者を追及する調査機関の設置で合意できる見通しは立っていない。

 シリアを巡る安保理会合は今週四回目。今回開催を要請したロシアのネベンジャ国連大使は、シリア内戦で米英仏は「アサド政権を転覆させ、ロシアに対抗することにしか興味がない」と批判。対シリア攻撃を示唆する米国を強くけん制した。

 首都ダマスカス郊外での化学兵器使用の疑いを調査する必要性は安保理内で共有されているが、アサド政権による使用を徹底して否定するロシアと、調査機関の高い独立性を求める米英仏が対立し、安保理は動きが取れない状態だ。

◆政権側の化学兵器使用 「でっち上げ」反体制派疑念

 【ダマスカス=共同】シリア反体制派の人権団体幹部は十二日、共同通信に対し、首都ダマスカス近郊東グータ地区での化学兵器攻撃について「アサド政権に抵抗する反体制派への支持を結集するため、でっち上げられた」と主張し、政権側が使用したとの見方に強い疑念を表明した。幹部は反体制派の闘争を一貫して支援してきた人物。匿名を条件に電話取材に応じ、異例の身内批判を展開した。

 トランプ米大統領やフランスのマクロン大統領は、アサド政権が化学兵器で反体制派を殺傷したとする一方、明確な証拠を明かしていない。日本政府は空爆実施の場合「米国の決意を支持する」と表明する方針。幹部の証言は、化学兵器禁止機関(OPCW)など国際機関による現地調査の必要性を改めて示した。

 反体制派の救助組織「シリア民間防衛隊(ホワイトヘルメッツ)」は、東グータのドゥーマで七日に化学兵器攻撃が実施され、四十九人が死亡したと発表した。

 幹部は昨年四月の北西部イドリブ県での化学兵器空爆と今回を比較。昨年は道路上の爆破痕など攻撃現場や、苦しみながら治療を受ける被害者らの多様な映像がインターネット上に公開されたのに対し、今回は地下室に横たわる多数の遺体と、病院内で子供らが治療を受ける映像しかなく不自然だと指摘した。

 

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