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【国際】

シリア「野蛮な侵略」 国営TV、政権支持集会放送

 【ダンマン(サウジアラビア東部)=奥田哲平】シリアの国営メディアによると、米国などのミサイル攻撃を受け、シリア外務省は十四日、「残忍で野蛮な侵略行為だ」と激しく非難する声明を出し、化学兵器禁止機関(OPCW=本部オランダ・ハーグ)の現地調査を妨害する目的があると主張した。政権側は防空システムでほぼ迎撃に成功したとしており、被害は軽微だったとみられる。

 化学兵器の製造が疑われる「科学研究調査センター」(SSRC)の施設がある首都ダマスカス近郊バルゼ。住民のアフマドさん(26)は、午前四時ごろに大きな爆発音を聞いて目覚めた。本紙の電話取材に「上空に、迎撃が成功した爆発による煙が見えた。われわれの軍は米国の攻撃を止めた」と興奮気味に話した。

 国営テレビは攻撃があった十四日の夜明け前から首都中心部の中継を始め、政権支持集会で「アサド(大統領)はシリアを守る」と叫ぶ住民の様子を放映。アサド氏は同日、イランのロウハニ大統領と電話協議し、「攻撃は、シリア国民にテロとの戦いを覚悟させるだけだ」と述べた。

 ロシア軍はミサイル百三発のうち七十一発を迎撃したとしているが、詳しい被害の実態は明らかになっていない。一方、シリア人権監視団(ロンドン)は「六十五発以上を撃ち落としたことを確認した」と発表。軍事施設には甚大な被害が出たが、人的被害は出ていないという。トランプ米大統領が軍事行動を示唆し、ロシアからの情報もあって、政権軍は主要な軍関連施設から既に退避していた。

 トルコ在住のシリア人ジャーナリスト、ハリド・ハリル氏は「事前に武器や戦闘機はもちろん、化学兵器さえも隠した可能性がある。攻撃は限定的で、アサド氏は勝利したように振る舞っている。米国が政権存続を容認したような誤ったメッセージを送ってしまった」と指摘している。

 

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