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【国際】

イラク日報 04年サマワ現地取材記者が検証 日本への脅威部分欠落

 イラクに派遣された陸上自衛隊部隊の日報のうち、十六日に防衛省が公表しなかった日の日報には、何が書かれていたのか。本隊第一陣が南部サマワに入った二〇〇四年二月の現地での取材記録と照らし合わせ、探った。 (嶋田昭浩)

 「こんな所に来ていて、いいんですか」。二月十二日朝、その日の活動について尋ねるため陸自の宿営地へ足を運ぶと、部隊幹部から声をかけられた。この日の早朝、サマワ中心部の二カ所に迫撃弾が着弾。私が泊まっていた宿舎からも数百メートルしか離れていなかった。宿営地は郊外にあったが、部隊はしっかりと事件を把握していた。自ら現場を調べた地元ムサンナ州警察の警備部長は私に「日本の報道機関が狙われた可能性がある」と語った。日本メディアが狙われたのだとしても、陸自派遣への反発が動機と考えられ、捜査情報は当然、部隊にも伝えられたはずだ。

 二月の日報を調べると、二十四日から二十八日までの毎日、ムサンナ州の治安状況として「日本人を動揺させるため日本のメディアに対する小規模な攻撃を行う可能性は否定できない」と記されている。だが、事件について詳細な情報がもたらされたはずの発生当日から十五日までの日報は公表分から欠落。十六日分からは公表されたものの「現地の治安状況等」に当たるページだけが抜けている日が目につく。

 第一陣到着前に、米軍を中心とするイラク占領当局の地元代表が「身の危険を感じることはない。私は市内で散髪をする」と語ったとされる言葉を引用するなど、日報は治安について細かな関心を払う。二月十六日の日報は多国籍軍関連の情報が黒塗りにされてはいても公表されたうえ、二十五日分にはバグダッドの日本大使館を標的にしたテロ情報さえも記されている。

 サマワにおける日本関連の具体的脅威だけが見当たらない。部隊撤収論につながるのを恐れ、一部の日報を破棄した可能性がある。

 

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