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【国際】

北、拘束米国人3人解放へ トランプ氏「全て進展」

 【ワシントン=石川智規】北朝鮮が核実験の中止や核実験場の廃棄などを決定したことに対し、トランプ米大統領は二十日夜のツイッターで一定の評価を示した。一方、米政府は「過去の過ちは繰り返さない」とけん制しており、北朝鮮が実際に非核化を履行するのか見極める考え。専門家の間でも、北朝鮮の姿勢を疑問視する声が根強い。

 米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長はトランプ氏と首脳会談を行う際、北朝鮮に拘束されている米国人三人の解放を保証したと報じた。極秘訪朝したポンペオ中央情報局(CIA)長官が、北朝鮮側から提起されたという。

 ポンペオ氏は訪朝後、米上院公聴会で「両首脳は米国と世界が必要とする外交的な成果を得ることができるだろう」と述べ、北朝鮮との水面下の交渉が進んでいることを示唆した。

 一方で「歴史を分析すれば、非核化を楽観することはできない」とも付け加え、今後も最大限の圧力を維持する必要性を説いた。

 トランプ氏は二十日夜、ツイッターで「北朝鮮と世界にとって良いニュースだ」と評価。深夜に追加投稿し「あらゆることが進展している」と自賛した。

 専門家の間では、北朝鮮が言葉通りに非核化を実現するのか懐疑する声が根強い。さらに、米紙ワシントン・ポストは専門家の分析として「トランプ氏が米国人拘束者の解放に満足し、他に何も得られない恐れがある」とトランプ氏の交渉姿勢にも疑念を向けている。

◆日本慎重「注視する」

 安倍晋三首相は二十一日、北朝鮮の核・ミサイルを巡る新たな決定について、「前向きな動きと歓迎したい」とする一方で、「この動きが核・ミサイル開発の完全、検証可能、不可逆的な廃棄につながるかどうか注視したい」との考えを示した。東京都内で記者団に語った。

 訪米中の小野寺五典防衛相も「日本にとっては、中・短距離ミサイルの放棄がなければ意味がない。核放棄にも触れていない。これでは不十分だ」と指摘した。日本を射程内に収める中・短距離ミサイルがある限り、日本は脅威にさらされ続けるからだ。

 日本政府が慎重な姿勢を示す背景には「北朝鮮と数々の約束をしてカネも払った。しかし(核開発)そのものが続いてきた」(麻生太郎副総理兼財務相)との不信感がある。

 首相は三月の参院予算委員会で「一九九四年の米朝枠組み合意や、二〇〇五年の六カ国協議の共同声明を時間稼ぎの口実にし、核・ミサイル開発を進めてきた現実がある」と具体例を列挙した。政府は今後、北朝鮮が具体的な行動をとるまで、最大限の圧力を続ける構えだ。

 日本政府は日本抜きで北朝鮮を巡る各国間の協議が進み、日本人拉致問題が置き去りになることへの警戒も強めている。日米首脳会談で、トランプ大統領が米朝首脳会談で拉致問題を取り上げると明言した。ただ、北朝鮮が最大の交渉相手と位置付ける米国が核・ミサイル問題に注力すれば、北朝鮮が拉致問題を後回しにするとの懸念がある。

 首相は二十一日、今後の北朝鮮対応について「基本方針に変わりはない」と強調した。拉致・核・ミサイルの包括的解決に向け、韓国や米国との連携を一層強化。日朝首脳会談も含め、北朝鮮との直接対話の道も引き続き探る。 (篠ケ瀬祐司)

 

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