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【国際】

北朝鮮、核放棄触れず 「核実験場を廃棄」 「経済建設に集中」宣言

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 【北京=城内康伸】北朝鮮は二十一日、核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験を中止し、「核実験中止を保証するため」として二〇〇六年十月以来、六回の核実験を実施してきた北東部・豊渓里(プンゲリ)の核実験場を廃棄することを発表した。金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は核開発と経済建設の「並進路線」を転換し、今後は経済建設に集中する新路線を打ち出したが、最大の焦点である核放棄には踏み込まなかった。

 国営朝鮮中央通信が二十一日、新路線を盛り込んだ二十日の党中央委員会総会の決定事項として伝えた。北朝鮮が国内向けに非核化に向けた措置を示したのは初めて。二十七日の南北、六月上旬までに開かれる米朝の両首脳会談で主導権を握る思惑とみられる。

 正恩氏は総会での報告で、「国家核戦力建設という歴史的大業を五年にも満たない短期間に完璧に完成させた」と指摘。一三年に提示した核開発と経済建設の「並進路線」は「貫徹された」と宣言した。

 その上で、「今や、いかなる核実験もICBMの発射実験も必要なくなり、核実験場も使命を果たした」と結論づけ、今後は、社会主義経済建設に総力を集中する「新たな戦略的路線」を表明した。

 だが、開発済みの核・ミサイルの放棄や、日本が直接脅威にさらされる中・短距離ミサイルの発射中止には触れていない。核実験場廃棄の具体的な手順も不明で、日米が求める「完全な非核化」とは大きな隔たりがある。

 総会では、核実験中止を「世界的な核軍縮のための重要な過程」と位置づけ、「わが国に対する核の脅しや挑発がない限り、核兵器を使わず、いかなる場合も核兵器や核技術を移転しない」ことも決定。今後、核保有国として核軍縮交渉に乗り出す可能性もある。

 周辺国や国際社会と対話を積極的に進めることも確認したが、南北、米朝の両首脳会談に言及はなかった。

<豊渓里> 北朝鮮は2005年2月に核保有を宣言し、06年10月、北東部の豊渓里で初の地下核実験を行った。その後も09年5月、13年2月、16年1、9月に実施。17年9月には6回目を強行し、北朝鮮はICBM搭載用の水爆実験に成功したと発表した。爆発規模は毎回大きくなっており、日本政府は6回目について約160キロトン(TNT火薬換算)だったとの推定値を公表。米軍が広島に投下した原爆は16キロトン、長崎は21キロトンだったとされる。 (共同)

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