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【国際】

イエメン運輸相 「UAEが部族勢力支援」

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 【カイロ=奥田哲平】内戦による人道危機が深刻なイエメンのサレハ・ジャバワニ運輸相が、本紙の書面インタビューに応じた。イスラム教シーア派の武装組織フーシ派との対立が泥沼化する中で「政府を支えるはずのアラブ首長国連邦(UAE)が地元部族勢力を支援し、政権軍がフーシ派と戦う上で障害になっている」と述べ、UAEへの非難を強めた。

 ムハンマド皇太子の存在感が増すスンニ派のサウジアラビアとUAEが主導するアラブ連合軍は、ハディ大統領の暫定政権を支援し二〇一五年三月から軍事介入している。現職閣僚が、後ろ盾のUAEを批判するのは異例だ。連合軍内も一枚岩になれない内戦の複雑さが浮き彫りになった。

 イエメンは一一年に中東の民主化運動「アラブの春」の影響でサレハ前大統領の長期政権が崩壊し、代わりにハディ政権が誕生。不満を持つフーシ派が首都サヌアを占拠して内戦に発展、サレハ前大統領は殺害された。フーシ派にはハメネイ師を最高指導者とするイランからの軍事支援が指摘され、対立するサウジとの代理戦争といわれる。

 ジャバワニ氏は「金や武器、ミサイルが密輸され、フーシ派の戦闘能力が上がった」としてイランを非難。「フーシ派から解放した地域に治安の空白が生まれ、地元部族の民兵や過激派があふれた。UAEは自らの利益のために部族民兵を利用し、政府の統治を弱めている」と主張。「サウジは最大限努力してくれるが、UAEが異なる方向を見ている」と指摘した。

 ジャバワニ氏によると、一月末にUAEの影響下にある部族勢力「南イエメン独立運動(南部運動)」が、ハディ政権が拠点を置く南部アデンで政府庁舎などを襲撃。国内唯一の天然ガス輸出港バルハフもUAEに近い勢力に支配され、二月下旬に新港開設式への出席が許されなかったという。

 イエメン南西部とアフリカ大陸を隔てるバベルマンデブ海峡は、スエズ運河経由で地中海とインド洋を結ぶ海運の要衝。ジャバワニ氏は「フーシ派が海峡を押さえれば、日本を含めた国際貿易への脅迫状だ。国際社会はフーシ派が和平交渉を受け入れるように圧力を強めてほしい」と求めた。

 

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