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【国際】

具体化「米朝」に持ち越し

 二十七日に開かれた南北首脳会談は、非核化が明文化されるかが最大の焦点だった。会談後に発表された共同宣言は「南と北は完全な非核化を通じ、核のない朝鮮半島を実現するという共同目標を確認した」と明記した。「完全な非核化」の表現を盛り込めたことで韓国の文在寅大統領は、米朝首脳会談への橋渡し役を果たせたと言える。

 一方、北朝鮮の核放棄の道筋を具体的に示す文言は見当たらない。文氏との共同会見に臨んだ金正恩朝鮮労働党委員長は「完全な非核化の貴重な出発点になる」と評価した文氏とは対照的に、非核化について全く触れなかった。

 文氏がぎりぎりの交渉を通じ、正恩氏からこの会談結果を引き出したという点は評価できる。だが、北朝鮮はこれまでも「朝鮮半島の非核化」を主張してきており、北朝鮮が核を巡る従来の立場から大きく踏み出したとは言い難い。在韓米軍の撤収や、韓国に米国の戦略資産を持ち込ませないなどハードルが高い条件を迫る可能性は残る。

 正恩氏は先の中朝首脳会談で「段階的で共同歩調の措置」を要求。非核化に向けた各段階ごとに、米国から譲歩を引き出し、体制保証を勝ち取るまで核を手放さない構えをみせた。今回もこうした姿勢を崩さなかったとみられる。

 米国が求めるのは「完全で検証可能かつ不可逆的な核放棄」の早期実現。正恩氏は、トランプ米大統領との会談でさらに踏み込んだ核放棄の意思を示すのか。米朝対話の展望は、予断を許さない。核問題を巡る本格的な協議は六月上旬までに開かれる米朝首脳会談に委ねられることになる。 (ソウル・城内康伸)

 

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