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【国際】

在韓米軍縮小 発言相次ぐ 長期的課題に浮上も

 【ソウル=上野実輝彦、ワシントン=石川智規】六月上旬までに予定される米朝首脳会談を前に、在韓米軍縮小を示唆する発言や報道が米韓で相次いでいる。北朝鮮の脅威に対応する米軍の役割の大きさから両政府は否定するが、緊張緩和が進めば長期的課題として浮上する可能性がある。

 米紙ニューヨーク・タイムズは三日、「トランプ米大統領が在韓米軍縮小を検討するよう、国防総省に指示した」と報じた。しかし、米国家安全保障会議(NSC)は四日朝、報道を否定するボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の声明を発表。トランプ大統領も四日、記者団に、在韓米軍の撤収は検討されていないと述べた。

 韓国でも四月末、大統領ブレーンの文正仁(ムンジョンイン)統一外交安保特別補佐官が米外交専門誌に「平和協定が締結されれば、在韓米軍の駐留正当化は難しくなる」と寄稿。文在寅(ムンジェイン)大統領は、平和協定締結後も在韓米軍は必要とこれを打ち消した。

 韓国大統領府の鄭義溶(チョンウィヨン)国家安全保障室長は四日、米国でボルトン氏と会談。大統領府は「米韓の防衛体制に変わりがないことを確認した」と発表した。

 在韓米軍が駐留する根拠となる「米韓相互防衛条約」は、脅威の対象を北朝鮮に限定していない。ただ、縮小問題が取り上げられるのは、米朝にとって「共通の利益」があるためだ。

 トランプ政権は対価に見合う駐留費用負担を韓国に、北朝鮮は朝鮮半島での軍事的脅威の減少を要求。韓国政府系シンクタンク・世宗(セジョン)研究所の朴智光(パクチグァン)研究委員は、米朝交渉の中で「北朝鮮が在韓米軍縮小や戦略兵器の搬入禁止を求める」と述べ、長期的課題になると予想する。

 また南北首脳会談の「板門店(パンムンジョム)宣言」では、朝鮮半島の非核化に向け韓国政府が「責任と役割を果たす」と目標を定めた。韓国日報は三日、文正仁氏らの発言について「南北、米韓関係の中で文大統領の選択の幅を広げている」と分析する。

 ただ、性急な縮小の検討は米韓同盟の不安定化と韓国内の保革対立を深めかねない。シンクタンク・峨山(アサン)政策研究院の申範〓(シンボムチョル)安保統一センター長は「現時点での検討は韓国の安全保障を弱体化させる。非核化を達成し平和協定を結んでから議論すべきだ」と指摘している。

※〓は、さんずいに育攵

 

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