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【国際】

マルクス生誕200年 中国礼賛、独で賛否

 【ベルリン=垣見洋樹、北京=中沢穣】共産主義思想家カール・マルクスの生誕二百年となる五日、出生地のドイツ西部トリーア市で記念式典があり、業績を巡り賛否両論があるマルクスの銅像の除幕式が行われた。中国政府から像を寄贈されたことへの抗議デモが繰り広げられた一方、中国・北京では前日、習近平(しゅうきんぺい)国家主席が、「中国共産党はマルクス主義を新時代の中国の現実と結合させ、中華民族の偉大な飛躍をもたらした」と式典で演説した。

 寄贈された像は中国の芸術家が制作し高さ五・五メートル、重さ二・三トン。マルクスの生家前に四月に設置された。十七歳までトリーアで過ごしたマルクスは、後にロンドンに亡命。労働者の団結を呼び掛ける「共産党宣言」、資本主義を批判する「資本論」を発表した。

 冷戦時代、社会主義体制だった旧東ドイツは、反体制的な市民を監視して弾圧。マルクスの業績については「独裁的な社会主義体制の思想的な基盤となった」との批判もあったが、市議会は賛成多数で像の受け入れを決定。中国人観光客が年間五万人訪問する事情も考慮された。各地から集まったグループが中国で相次ぐ人権弾圧の犠牲者を追悼するデモを行った。

 中国の習主席は四日の演説で「マルクス主義は中国の革命、建設、改革に強大な思想的武器を提供した」と表明。三月に憲法に明記された習近平思想とマルクス主義を結び付け、権威を高める狙いとみられ、ソ連崩壊や東欧の体制転換には触れなかった。

 中国のネット上には「マルクスが最も反対したのは搾取と抑圧。もしまだ生きていたら、ひどく憤るだろう」との批判の声もあった。

 

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