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【国際】

レバノン、9年ぶり議会選 シーア派勢力に勢い

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 【カイロ=奥田哲平】レバノンの国民議会選挙(定数一二八)が六日、九年ぶりに実施された。地元メディアによると、イランと密接につながるイスラム教シーア派組織ヒズボラ系勢力が過半数に達する勢いだ。ハリリ首相の挙国一致内閣は維持される見通しだが、イランの影響力が強まるのは確実で、対立するサウジアラビアの警戒心は高まりそうだ。

 多数の宗派が混在し、内戦を繰り広げた歴史があるレバノンでは、宗派ごとに議席数が割り当てられ、一つの宗派が突出しない仕組み。主要ポストは大統領はキリスト教マロン派、首相がスンニ派、国会議長はシーア派に分配される。

 ロイター通信によると、ヒズボラを含むシーア派に加え、連携するキリスト教勢力で少なくとも六十七議席を獲得。ハリリ氏率いる「未来運動」は苦戦を強いられている。投票率は49%だった。議会選は二〇一三年の実施予定だったが政治の混迷で延期されていた。

 ヒズボラの軍事部門は正規軍を上回る戦力を持ち、シリア内戦でアサド政権軍を支援し、国境近くの過激派組織「イスラム国」(IS)を掃討して成果を上げた。昨年十二月に二年半空席だった大統領にヒズボラに近いアウン氏が就き、政界での発言力も増した。

 レバノンは中東の覇権を争うサウジとイランが影響力を競い合い、隣国イスラエルもヒズボラの伸長を警戒する。選挙戦でも未来運動をサウジがてこ入れし、ヒズボラ指導者ナスララ師が「露骨な介入だ」と非難した。すでに閣僚を送り込むヒズボラは当面ハリリ政権を維持しつつ、連立協議で財務相などの重要ポストを狙うとみられる。

 人口四百六十万のレバノンは約百万人のシリア難民を受け入れ、膨大な累積債務と経済低迷に苦しむ。レバノン安定化に向け、欧州や世界銀行は四月に百十億ドル(一兆二千億円)の財政支援を決めた。

 

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