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【国際】

再制裁 ロウハニ政権に打撃

 【カイロ=奥田哲平】トランプ米大統領が核合意離脱で表明した「最大級の経済制裁」が発動された場合、回復途上のイラン経済に手痛い打撃となるのは確実だ。反米感情がさらに高まれば、核合意に批判的な保守強硬派が勢いづき、穏健派のロウハニ大統領が苦境に追い込まれる可能性が高い。ロウハニ師は、英仏独などと協調して制裁の影響を最小限にとどめたい考えだ。

 「数カ月前から米国が核合意の責任を果たさない前提で経済運営を行ってきた。米国がいなくてもイラン市場は安定していく」。ロウハニ師は八日夜、国営テレビでの演説で呼び掛け、混乱を抑えるのに躍起だ。

 背景には経済制裁が解除された恩恵が、庶民生活に行き渡っていない実態がある。失業率は12%で高止まりしたままで、通貨リアルの対ドル実勢レートは急落して物価が上昇。昨年十二月には生活苦への不満から反政府デモがイラン全土に広がった。

 そのため、ロウハニ師は米国の核合意離脱を「国際的な合意を傷つける」と批判しながらも即座に対抗措置は取らず、欧州などと協議する考えを示した。イラン市場参入に期待する欧州や最大の石油輸出先、中国との関係を強化し、制裁を骨抜きにする狙いだ。

 ただ、米国抜きの核合意が長続きする保証はない。欧州がイランと従来通りの関係維持を約束しても、企業側は米国の制裁を恐れて手を引く可能性が高い。経済状況が悪化しロウハニ師の求心力が低下すれば、核合意破棄を主張する保守強硬派が圧力を強めそうだ。

 欧州はイランとの協議で、米国の主張に沿って改めて弾道ミサイル開発規制などの受け入れを要求する可能性が高い。「革命防衛隊」のジャファリ司令官は九日、「米国と関係の深い欧州が、独立した決断をできないのは明らかだ」と述べ、ロウハニ師をけん制した。

 

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