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【国際】

ロシア、中東で存在感 核合意問題 独仏などと共同歩調

 【モスクワ=栗田晃】米トランプ政権によるイラン核合意の離脱表明や、在イスラエル大使館移転で中東が混迷を深めるなか、ロシアが存在感を示している。イラン、イスラエル両国との良好な外交関係を生かし仲介姿勢を示すほか、今月中に独仏首脳がイラン核合意をめぐりロシアを訪れ、プーチン大統領と会談する予定。米欧間の亀裂に乗じた影響力拡大への思惑ものぞく。

 「状況は非常に深刻だ。重大な紛争を回避する方法を探したい」。九日、モスクワでの第二次大戦の対独戦勝記念式典にイスラエルのネタニヤフ首相を招いたプーチン氏は、首脳会談でこう強調。米国の核合意離脱表明後、イスラエルがシリア領内のイラン軍事拠点へ攻撃を加えるなど高まる緊張の緩和に向け、意欲を示した。

 ロシアが両国の対立激化を憂慮するのは、アサド政権優位で固まったとみられるシリア内戦の戦況を再び流動化させる可能性をはらんでいるからだ。イランとともにアサド政権を支援するロシアにとって、イスラエルと直接衝突する事態も排除できず、自制を促すのは急務。ロイター通信によれば、ネタニヤフ氏はプーチン氏との会談後、「ロシアとの軍事協力を継続する必要がある」と述べた。

 一方、ロシアのラブロフ外相代行は十四日、モスクワでイランのザリフ外相と会談し、米政権によるイラン核合意離脱表明をめぐり「自国の正当な国益を守るイランの意思をよく理解している」と擁護。プーチン氏も十四日、ロシア南部ソチで国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長と会談し、核合意順守を続ける考えを伝えた。

 イラン核合意問題は、ロシアにとって鋭く対立する欧州と久々に共同歩調が可能となるテーマ。プーチン氏は十八日にはソチでメルケル独首相と、二十四日はサンクトペテルブルクでマクロン仏大統領と首脳会談する予定。米国抜きで核合意の実効性をどう保つかなどを協議するとみられる。

 ただ、ロシア科学アカデミー中近東研究センターのフョードロワ上席研究員は「イランとイスラエル自身が和平を望まない限り、ロシアの仲介も難しい」と指摘。また、独仏との連携についても「政府の意向にかかわらず、米国の制裁再開で企業は離れ、いずれ核合意は瓦解(がかい)するだろう」と成果を疑問視した。

 

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