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【国際】

北、核放棄先行を非難 米朝会談「再考」と警告

 【北京=城内康伸】北朝鮮の金桂冠(キムゲグァン)第一外務次官は十六日、談話を発表し、対北朝鮮強硬派のボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)らが見返りより核放棄を先行させる「リビア方式」の適用を主張していると非難し、六月十二日に予定される米朝首脳会談を「再考するほかない」と警告した。また、北朝鮮は十六日未明、板門店(パンムンジョム)で同日開催予定だった南北閣僚級会談の中止を韓国政府に伝えた。米朝会談に向けた事前交渉を有利に進めるための「瀬戸際戦術」とみられる。

 談話は朝鮮中央通信が伝えた。ボルトン氏ら米高官が、核放棄の後で制裁緩和に応じるリビア方式や、核だけでなく生物化学兵器の完全放棄も求めているとし、「大国に国を丸ごと委ねて崩壊したリビアやイラクの運命をわが国に強要しようとする不純な企図の表れだ」と批判した。

 その上で「核開発の初期段階にあったリビアを『核保有国』であるわが国と比べること自体が愚かだ」と開き直り、「トランプ米政権が一方的な核放棄だけを強要するなら、そのような対話には、もはや興味を持たないだろう」とけん制した。

 米朝首脳会談は金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が自ら提案しただけに、実際に中止する可能性は低い。談話は「彼(ボルトン氏)に対する拒否感を隠さない」と強調しており、米政権内でのボルトン氏の影響力を低下させる狙いもありそうだ。

 談話に先立ち、朝鮮中央通信は、米韓空軍が十一日から始めた共同訓練「マックス・サンダー」を「軍事的挑発」と非難。北朝鮮は十六日に予定していた南北閣僚級会談を一方的に中止した。韓国統一省によると、北朝鮮は閣僚級会談の無期延期を通告した。

 同通信は訓練を「(四月二十七日の南北首脳会談で署名した)板門店宣言に対する露骨な挑戦で、良好に発展している朝鮮半島の流れに逆行する」と反発、訓練の中止を暗に求めた。

<リビア方式> 1980年代から核開発を始めたリビアは、2003年12月に最高指導者のカダフィ大佐が核を含む大量破壊兵器の放棄を宣言。無条件で査察を受け入れ、開発関連資機材も米国に搬送した。ボルトン大統領補佐官は当時、ブッシュ(子)政権の国務次官として交渉に関与。米国はその後、リビアに対する経済制裁を解除し、国交を正常化した。だが、カダフィ氏は11年、欧米が支援する反政府勢力により殺害された。北朝鮮は、核放棄が政権崩壊を招いたとして核保有を主張してきた。

 

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