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【国際】

レバノン国境も緊張 ヒズボラの攻撃警戒

13日、イスラエル北部キリヤット・シュモナで、2006年のレバノンとの交戦について振り返るザフラニ副市長=奥田哲平撮影

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 イスラエルとイランがゴラン高原を挟んで今月10日、越境攻撃の応酬を繰り返したことを受け、レバノンと国境を接するイスラエル北部戦線で警戒が高まっている。イランと密接なつながりのあるレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの浸透を防ぐ防御壁を建設し、住民は避難訓練などで備える。

 (イスラエル北部キリヤット・シュモナで、奥田哲平)

 十日の衝突では、シリアに駐留するイランの部隊がロケット弾二十発を発射したのに対し、イスラエル軍が反撃。シリア人権監視団(ロンドン)によると、死亡した二十七人のうち十一人がイランの軍事関係者だった。イランはロケット弾発射を否定しているが、ヒズボラの指導者ナスララ師は十四日に「新たな段階に入った」と警告した。

 「西側の山を越えて一キロでレバノンという近さ。ヒズボラは好機とみれば必ずロケット弾を撃つだろう」

 レバノン国境の町キリヤット・シュモナのエリ・ザフラニ副市長(49)はロケット弾で焼かれ、植え直した低木が目立つ山肌を見つめた。イスラエルとヒズボラは二〇〇六年、一カ月に及ぶ交戦で、レバノン側に千人、イスラエル側に百七十人の死者が出た。

 副市長によると、イランやヒズボラの民兵組織がシリア内戦で勢力を拡大した一四年以降、市内百八十七カ所ある避難用シェルターをすぐに使用できるよう準備し、二万人の全市民が参加する避難訓練を実施する。ロイター通信によると、イランは現在、レバノン南部で、ヒズボラと精密誘導ミサイル製造工場を建設しようとしている。次に両者の間に衝突が起きれば、前回以上の被害が出る恐れが高い。

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 イスラエルは、イランからヒズボラへの武器供与を防ぐためにシリア国内への空爆を繰り返すが、その勢力に衰えは見えない。ザフラニ副市長は「戦争は望んでいないが、私たちは決して恐れない。反撃を怖がっているのはナスララ師の方だ」と強気だった。

 北部戦線に加え、イスラエルが占領するゴラン高原と、イスラム主義組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザ周辺の最前線での警戒が強まるイスラエル。エジプト軍元高官モハメド・ベラル氏は「三つの戦線の動きは活発ではなく、イスラエルの武力をもってすれば対処できる。しかし、三つの前線が同時に火を噴いた場合がイスラエルにとっての挑戦だ」と指摘。イランとの対立が深まれば、緊張が一気に高まりかねないとの考えを示した。

 

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