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【国際】

イラク総選挙 サドル師派第1勢力に

 【カイロ=奥田哲平】イラクの国民議会選(総選挙、定数三二九)は、政治刷新を訴えたイスラム教シーア派指導者サドル師の政党連合が第一党に躍り出た。汚職がまん延する既存政治に対する不満が反映された形だ。

 反米強硬派と知られるサドル師は、二〇〇三年のイラク戦争後、民兵組織を率いて武力闘争を繰り広げたことで知られる。シーア派に強固な支持基盤があるが、今回は共産党や市民派とも連携。投票率(45%)の低迷も有利に働いた。大半の立候補者を新人に切り替えて政治改革を求める有権者の期待を集めた。

 過激派組織「イスラム国」(IS)の掃討後初の国政選挙は、荒廃からの国土復興や外交方針を左右する試金石だった。IS掃討で実績を上げた民兵組織「人民動員隊」を率いたアミリ元運輸相の「征服連合」は第二党になった。

 一方、事前の世論調査でトップ予想だったアバディ首相率いる「勝利連合」は三位に低迷。イラクの政治評論家サマン・ヌーハ氏は「アバディ氏が勝利する好機だったが、直前まで合従連衡を繰り返して失敗した」と指摘する。

 ただ、イラクは選挙後の連立交渉で作られる最大会派から首相が指名される仕組み。サドル師自身は出馬していないため、首相にはなれない。サドル師はアバディ氏と協力して過半数を占める意向で、両者は十九日に会談した。アバディ氏は「協力して迅速に新政権を発足させることで合意した」と述べるなど、首相を続投する可能性が高い。

 イラクは、IS掃討を通じて影響力を強めたイランにとって、シリアとレバノンにつながる覇権に欠かせない重要地域。サドル師はイランとは距離を置く考えを示唆したが、イランは新政権発足に向けて介入を強めるとみられる。

 

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