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【国際】

イタリア EU懐疑派政権誕生へ

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 【パリ=竹田佳彦】三月の総選挙後、連立交渉が難航していたイタリアで、ポピュリズム(大衆迎合主義)的な新興組織「五つ星運動」と、右派政党「同盟」が十八〜二十日、党員投票を実施して連立合意を決めた。二十一日に新首相候補をマッタレッラ大統領に伝える。欧州連合(EU)に懐疑的な両党は離脱こそ合意文書に入れなかったが、政権が発足すれば関係見直しは避けられない。

 新首相について、同盟のサルビーニ書記長はツイッターで「誰もが満足できるバランスの取れた人物だ」と主張。イタリア紙レプブリカによると、法律専門家ジュゼッペ・コンテ氏(54)の名前が挙がっている。五つ星のディマイオ党首は二十日、フェイスブックに「欧州に対し、国民の福祉と幸福が何より優先されると訴える」と書き込んだ。

 閣僚名簿案は公表されていないが、両党代表も入閣する見通しだ。大統領が組閣を指示すれば、上下院の承認を経て新政権が発足することになる。

 連立に向けた政策案には、EUが求める緊縮財政の拒否や、厳格な移民・難民対策が掲げられている。法人税と所得税を減税し、月額七百八十ユーロ(約十万円)の最低所得保障が盛り込まれた。移民対策では、非正規モスク(イスラム教礼拝所)の閉鎖、宗教指導者の登録制度も導入する。

 両党が以前から主張してきたEU離脱や移民排斥に比べると「穏健」に見えるが、政策実現を困難視する指摘は多い。

 総選挙では、五つ星が約32%の支持を得て政党別の第一党に、同盟は約17%ながら中道右派連合内で第一党に躍進し、五つ星が同盟に連立を呼びかけた。

 しかし、中道右派連合の「フォルツァ・イタリア」を率いるベルルスコーニ元首相が反発し、同盟も連合から離脱する意思はなく、暗礁に乗り上げていた。

 マッタレッラ氏は七日、再選挙を前提として中立的な暫定政権の樹立を各党に提案したが、五つ星と同盟の両党は反対。ベルルスコーニ氏がその後、態度を軟化させたため、連立が可能になった。政権誕生の「生みの親」として影響力確保を狙ったとみられる。

 

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