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【国際】

「米抜き核合意」揺らぐ 欧州企業 制裁警戒、イラン撤退も

 【ロンドン=阿部伸哉】米政府がイラン核合意を離脱した後、「史上最強の制裁」を表明した対イラン新政策に対し、欧州連合(EU)が困惑を深めている。モゲリーニ外交安全保障上級代表は二十一日、「核合意以外の代替案はない」とあらためて強調。しかし欧州企業を米国の制裁から保護する道筋は見えず、「米抜き」核合意維持のハードルはますます高くなった。

 モゲリーニ氏は声明で「核合意から離脱するとイランの行動にどう前向きな影響が出るのか示されていない」と批判。ドイツのマース外相も訪問先のアルゼンチンで「(米大統領の)トランプ氏が既に言ってきたこと」と受け流す姿勢をみせた。

 EUとイランは米国抜きの核合意の維持を目指し協議中。イランはEUに、欧州企業が撤退しないように「保証」を求めている。

 だが、米政府が強硬姿勢を一段と強めたことで、米金融市場でドル資金調達に頼る欧州企業に動揺が広がるのは必至。米財務省は既にイランと取引がある企業に制裁対象になる可能性を通告している。これを受けフランス石油大手トタルなど石油・ガス関連を中心にイランからの撤退を検討する動きが相次いでいる。

 ロイター通信によると、トタルのガス田開発には早くも中国国営の「中国石油天然ガス集団(CNPC)」が関心を示している。

 イランは核合意残留の条件として、米国が対イラン制裁を発動しても、欧州や中国など合意参加国が経済関係を維持することを求めている。二十四日から訪中するドイツのメルケル首相は、合意の維持に向け、習近平国家主席らに強力を求める方針だ。

 EUでは、米政府が欧州企業を制裁対象にした場合、対抗措置の発動も検討されているが、フランスのマクロン大統領は「米国との貿易戦争」を懸念。実効性のある欧州企業保護策は打ち出せていない。

 

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