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【国際】

中国、対話復活に安ど 北カード確保へ「米朝」後押し

 【北京=中沢穣】米朝首脳会談が実現に向け再調整される見通しとなったことを受け、中国外務省の陸慷(りくこう)報道局長は二十七日の声明で「会談が予定通り行われ、成功することを希望する」と歓迎し、二度目の南北首脳会談にも支持を表明した。中国が進める北朝鮮との関係改善にとって、米朝首脳会談の開催は前提条件。米朝関係が悪化すれば、北朝鮮の後ろ盾である中国は難しい立場に追い込まれるだけに、習近平(しゅうきんぺい)政権は会談実現の後押しを強める見込みだ。

 トランプ米大統領が会談「中止」を表明した翌日の二十五日、中国の王岐山(おうきざん)国家副主席はロシア・サンクトペテルブルクで、朝鮮半島の安定が「中国の利益に密接に関わる」と会談開催を訴えた。王氏は実質的に外交を仕切る立場でもあり、会談中止によって半島情勢や米中関係が流動化することへの強い危機感があったとみられる。

 三月に米朝首脳会談開催が決まると、中国は頭越しでの米朝接近を避けるために北朝鮮との関係改善を急いだ。だが中朝蜜月の復活を警戒したトランプ氏は、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)党委員長が二度の中朝首脳会談後に「態度を変えた」と批判し、習氏にも「世界一流のポーカープレーヤーだ」と矛先を向けた。実際、二度の中朝首脳会談後、北朝鮮は容認したはずの米韓軍事演習に反対し、米朝首脳会談の中止もちらつかせた。強気に転じた北朝鮮の背景には、段階的な非核化にも理解を示した中国の存在があった可能性が高い。

 トランプ氏が会談の「中止」を表明した後も、正恩氏の「執事」と呼ばれるキム・チャンソン国務委員会部長らが二十四〜二十六日に極秘で訪中。中朝の緊密な意思疎通をうかがわせた。

 中国は昨年、北朝鮮に対する国連安全保障理事会の制裁履行をアピール。中国に影響力行使を求めていたトランプ氏は再三、対応を称賛した。中国筋は「中国にとって、朝鮮半島の安定はそれ自体が重要だが、対米関係という文脈でも重要だ」と指摘。今年に入って中国は貿易不均衡の是正を米国から強く求められており、米国に対する「外交カード」を確保するためにも、北朝鮮への影響力を強めていくとみられる。

 

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