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【国際】

トルコ通貨安でインフレ懸念 エルドアン氏、金融関与強化を示唆

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 【カイロ=奥田哲平】トルコの通貨リラの対ドル相場が年始比で約二割下落し、通貨安が深刻になっている。米長期金利の上昇に伴う新興国からの資金流出を受けた動きで、トルコ国内のインフレ悪化が懸念されている。六月二十四日に控える大統領選にも影を落としそうだ。

 トルコ・リラは一〜四月に一ドル=三・八リラ前後を保っていたが、五月に入って急落。一時は四・九二リラの過去最安値を更新した。資産運用面での魅力が高まった米国に投資マネーが流入し、ドル高が進んだためだ。トルコ中央銀行は二十三日に大幅利上げを実施、対応に追われている。

 通貨安の背景には、別の理由もある。五月に入って米国のイラン核合意離脱で中東情勢の不安定感が増したことに加え、エルドアン大統領が十五日に「中央銀行は独立しているが、大統領選後に施行される新たな行政の長としての大統領が発する信号を無視することはできないだろう」と、金融政策への関与を強める考えを示唆。中銀の独立性への懸念が高まった。

 トルコは昨年7・4%の経済成長を記録するなど足元の景気は好調だが、慢性的な財政赤字を抱え、インフレ率は11%と高止まり。通貨安が進めば、輸入品の物価上昇が市民生活に重くのしかかる。エルドアン氏が来年十一月予定だった大統領選を大幅に前倒ししたのは、この先の景気低迷を見越して選挙に打って出たとの見方が強い。

 これまでに六人が立候補する大統領選は、野党が候補者を一本化できず、エルドアン氏の再選が有力になっている。ただ、どの候補も過半数に達しない場合は決選投票に進む。インフレ悪化が鮮明化すれば、エルドアン氏への批判票となって跳ね返る懸念もある。

 トルコでは昨年四月の国民投票で議院内閣制から大統領制に移行する憲法改正を承認し、六月の選挙後に施行される。エルドアン氏が勝てば、名実ともに実権を握ることになる。

 

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