東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 国際 > 紙面から > 6月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【国際】

シリア南西部からイラン部隊撤退か イスラエルと緊張緩和へ

 【カイロ=奥田哲平】イスラエル国境に近いシリア南西部で、駐留するイラン系民兵組織が撤退の動きを見せていることが、地元反体制派への取材で分かった。事実とすれば、五月上旬からゴラン高原を挟んで高まったイスラエルとイランの軍事的緊張が緩和に向かう可能性がある。

 イランはシリア内戦でアサド政権軍を支援し、指揮下にあるレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラなども含め、三十カ所以上の軍事拠点を構築。シリア南西部にも駐留し、敵対するイスラエルをけん制してきた。イスラエルは「イラン軍はシリアのどこにも居場所はない」(ネタニヤフ首相)として拠点への越境攻撃を繰り返している。

 南西部ダルアー県を拠点とする反体制派「自由シリア軍」傘下組織の幹部によると、ヒズボラの軍事拠点では「最近、シリア国旗が掲げられ、民兵から政権軍の軍服を着た兵士に代わった」と言う。また、地元活動家は「イラン系部隊の大多数はまだ残っているが、二十〜三十台の車両が(イスラエルから遠ざかる)県北部に移動した」と話した。

 イスラエルは再三、シリア内戦で主導権を握るロシアに対し、イラン系部隊を国境付近から引き離すよう要求。ロシアのラブロフ外相は先月二十八日に「シリア南部の国境沿いに展開されるのは政権軍のみであるべきだ」と述べ、イスラエル側では、ロシアが緊張緩和に介入する方針を示唆したとの見方が広がった。

 一方、サウジアラビア系のニュースサイトは同二十七日、イスラエルとイランの治安機関高官がヨルダンの首都アンマンで間接的に折衝し、イラン側はシリア南西部での政権軍と反体制派の戦闘に参加しないと約束したと報じた。

 イラン外務省のカセミ報道官は二十八日、「作り話だ」と報道を否定したが、イランにとってはトランプ米政権が離脱表明した核合意を存続させるのが最優先課題で、当面はイスラエルとの関係悪化を避け、中東での覇権拡大を狙っているという批判をかわす判断をした可能性がある。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報