東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 国際 > 紙面から > 6月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【国際】

薄れる関心、強まる圧力 天安門29年 香港で追悼集会

4日、香港のビクトリア公園で行われた天安門事件29年の追悼集会で、キャンドルをともし犠牲者を悼む参加者たち=浅井正智撮影

写真

 【香港=浅井正智】中国当局が学生らの民主化運動を武力弾圧した天安門事件から二十九年を迎えた四日夜、香港では事件の犠牲者を追悼する集会が開かれた。主な学生団体は二年前から集会に参加しておらず、民主派勢力の分裂は決定的。三十年を迎える来年に向け、事件への関心をつなぎ留める有効な手だてを講じる必要に迫られている。

 香港島・ビクトリア公園で開かれた追悼集会には主催者発表で昨年より五千人多い十一万五千人が参加。市民がキャンドルを手に犠牲者を悼んだ。会場には昨年死去したノーベル平和賞受賞者で民主活動家、劉暁波(りゅうぎょうは)氏の像も置かれ、中国当局に軟禁されている妻の劉霞(りゅうか)さんの解放を求めた。

 集会には中国大陸からの参加者も。安徽省から来た男性(25)は「学校で天安門事件は教えられないし、家でも話すことはない。集会に参加して、歴史の事実を直視しなければいけないことを学んだ」と話した。

 四日付の香港紙リンゴ日報は一面の上半分を使って「(共産党の)一党独裁を終わらせる」という民主派のスローガンを掲載。香港基本法(憲法に相当)に触れるとして親中派の一部が問題視する中、あえて対決姿勢を鮮明にした。

 ただ、香港大学の最新の世論調査では「事件の犠牲者の名誉回復を求める」と答えた人の割合は54・4%で過去十年で二番目の低さ。「香港人は中国の民主化進展に責任があるか」との問いに「ある」と答えたのも55・6%と、調査が始まった一九九三年以来最低となった。若い世代を中心に「香港と中国大陸は関係ない」との意識が広がっていることがうかがえる。

 九竜(クーロン)地区のビルの一室では民主派が「六四記念館」を十日までの期間限定で開館。二年前に当時入居していたビルの管理組合から訴えられ、いったん閉館に追い込まれたが、背後には中国の圧力があったとみられる。募金を頼りに、常設館の再開を目指すが、ボランティアの女性は「常設館に反対する人たちの圧力が強まっていることが最大の障害」と話し、事件の記憶継承が難しい現状を嘆いた。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報