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【国際】

イランと中・ロ接近 上海協力機構にロウハニ師

 【北京=中沢穣】中国山東省青島で九日に始まった上海協力機構(SCO)の首脳会議には、準加盟国のイランのロウハニ大統領も参加した。トランプ米政権と急速に関係悪化しているイラン首脳の参加は、国際社会での米国主導に異を唱えるSCOの立場を象徴する。SCOの中心国である中国とロシアには、米国への交渉カードとしてイランを活用したい思惑も透ける。

 新華社通信によるとロウハニ師は八日夜に青島に入った。十日予定の実質的な会議では米国が離脱表明したイラン核合意についても意見を交わし、イランの合意維持に向けた姿勢を後押しする見込みだ。

 八日発表の中ロ共同声明では、米国の合意離脱表明を「人々を失望させた」と批判した上で「合意維持に全力を尽くす」と記した。中ロはともに米国との摩擦を抱えており、SCO首脳会議を通じて米国をけん制する姿勢を鮮明にするとみられる。

 中国は、経済圏構想「一帯一路」の沿線国としてイランを重視するだけでなく、原油輸入先としても期待を寄せている。中ロ共同声明では「イランとの経済貿易協力による利益を維持し、(米国による)一方的な制裁の影響を受けないようにすることが重要だ」とも明記した。

 一方、ロイター通信によると、ロウハニ師は九日、青島でプーチン氏と会談。核合意履行におけるロシアの役割を「重要で建設的」として影響力行使に期待を寄せた。習氏との会談は十日とみられる。イランは中ロとの関係強化によって、米国が経済制裁を復活させた場合の打撃を少しでも軽くしたい意図がある。また、中国は最大の石油輸出先でもあり、石油採掘事業や輸出の継続も担保したい考えだ。

 ただイランと中ロとの間には立場の違いもある。中国企業などがイランとの取引をあからさまに進めれば、米国の制裁対象になりかねない。またイランの最高指導者ハメネイ師は四日、合意が崩壊した場合に備え、ウラン濃縮の加速を準備するよう指示した。実際にイランが合意に違反する行動に出れば、中ロは難しい立場に追い込まれる。

 

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