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【国際】

非核化、裏切りの歴史 対話と挑発駆使 繰り返す北朝鮮

 北朝鮮はこれまで、対話と挑発を巧みに使い分ける瀬戸際戦術を繰り返してきた。核問題を巡る六カ国協議など過去の交渉で、核放棄を約束して経済支援など果実を先取り、ひそかに核開発を続けるという裏切りの前歴がある。

 北朝鮮による核兵器開発疑惑は一九九〇年代に表面化。米国と北朝鮮は一九九四年、北朝鮮が軽水炉を得る代わりに核計画を凍結することで合意した。米国は軽水炉完成までの間、年間五十万トンの重油を提供することを約束・履行した。だが、二〇〇二年、北朝鮮が秘密裏に高濃縮ウランによる核開発を行っていたことが分かり、合意は吹き飛んだ。

 当時のブッシュ(子)政権は二国間合意では、北朝鮮がほごにする可能性があると判断。周辺国が合意事項を担保する多国間の協議体として〇三年、中国を議長国として六カ国協議がスタートした。南北と日米中ロが参加する六カ国協議は〇五年に核放棄をうたう共同声明を採択したが、北朝鮮は翌年に初の核実験に踏み切る

 〇七年には、段階的な核開発の廃棄で合意し、北朝鮮はエネルギー支援と米国によるテロ支援国家の指定解除などを手にした。しかし、核計画の検証を巡り協議は難航し、〇八年を最後に中断した。

 金正恩政権発足後間もない一二年二月には、米国の食糧支援と引き換えに、核実験や長距離弾道ミサイル発射、ウラン濃縮による核開発を凍結することで合意した。だが、直後の同年四月、北朝鮮が人工衛星と主張する長距離弾道ミサイル発射実験を強行した結果、合意は白紙化された。

 当時のオバマ政権は、北朝鮮が核放棄で具体的な行動を見せない限り、対話には応じない方針を選んだ。これが逆に北朝鮮に核開発の時間的余裕を与える。一七年九月に六回目の核実験を実施。十一月に米全土を射程に収めるとする大陸間弾道ミサイル(ICBM)試射に成功したとして、正恩氏は「国家核戦力完成」を宣言した。

 米朝首脳会談で非核化に合意する場合、プロセスの長期化を避け、北朝鮮の心変わりを防ぐことがカギとなる。 (シンガポール・城内康伸)

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