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【国際】

伊が難民拒否、周辺国波紋 ポピュリズム新政権

今月12日、地中海中部で救助された移民・難民=ロイター・共同

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 【パリ=竹田佳彦】ポピュリズム(大衆迎合主義)政党と極右政党の連立で六月に誕生したイタリアの新政権が、難民問題で強硬姿勢を示している。地中海で十日に救助された難民らの上陸を拒否、スペイン政府が人道上の理由で受け入れる事態になった。対応を「無責任だ」と一方的に批判した仏政府に、伊政府が「偽善的」と反発し、外交問題に発展した。

 伊政府は十日、非政府組織の船「アクアリウス」がリビア沖合で救助した難民六百二十九人の上陸を拒否。隣国マルタも拒み、難民は一時行き場所を失った。

 健康状態悪化や食料不足に懸念が高まる中、スペインのサンチェス政権が翌日に「人道的な悲劇を避けるため」受け入れを表明。伊極右政党「同盟」書記長のサルビーニ内相はツイッターに「勝利だ。最初の目標を達成した」と書いた。

 スペインの受け入れ表明後にようやく発言したフランスのマクロン大統領は、伊政府の対応を「現実を見ず無責任」と厳しく批判。コンテ伊首相は「偽善的な発言で受け入れられない」と猛反発した。

 イタリアには二〇一三年以降、六十万人以上の難民らが地中海を越えアフリカや中東から流入。欧州連合(EU)最初の上陸地の義務として受け入れてきたが、対応に消極的な他の加盟国に不満を募らせている。

 サルビーニ氏はマクロン氏の発言を受け国会で「仏政府はイタリアから難民九千六百十人を受け入れると約束したが、実際には六百四十人だけだ」と指摘。仏政府に謝罪を要求した。十五日の伊仏首脳会談中止も検討する事態になった。

 仏大統領府などによるとマクロン氏は十三日夜、コンテ氏に電話で「イタリアと伊国民を責める意図はなかった」と釈明、会談を実施すると表明した。コンテ氏は「この問題はもう終わりだ」と応じ、EUの受け入れルールを見直す必要性を強調した。六月二十八、二十九日のEU首脳会議で議論するとみられる。

 

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