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【国際】

イエメン、飢餓悪化の危機 物資搬入都市で戦闘

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 【カイロ=奥田哲平】イエメン西部の港湾都市ホデイダで始まったハディ暫定政権軍による奪還作戦で十四日、反政府組織との戦闘で双方の兵士三十九人が死亡した。支援物資の搬入拠点であるホデイダで戦闘が激化すれば、泥沼化した内戦で八百四十万人が飢餓状態にあるイエメンが、さらなる人道危機に見舞われる恐れが高まる。

 AFP通信によると、十三日に作戦を始めた暫定政権軍とサウジアラビアなどのアラブ連合軍は、ホデイダ南部の空港まで数キロに進軍。一方、ホデイダを実効支配するイスラム教シーア派武装組織フーシ派は、紅海上で連合軍の艦船を撃沈したと主張するが、被害の程度は不明。指導者フーシ師は「西部沿岸は、侵略者が抜け出せない沼地になる」と徹底抗戦を指示した。

 三年以上にわたる内戦が続くイエメンは「世界最悪の人道危機」(国連)にある。人口二千九百万人のうち七割以上の住民に食糧援助が必要とされ、うち八百四十万人が飢餓に直面。ホデイダ港は支援物資の七割が荷揚げされるため、国際社会はサウジなどに自制を呼び掛けてきたが、作戦開始に踏み切った。

 国連安全保障理事会は十四日、緊急会合を開き、港を閉鎖しないよう要請。これに対し、暫定政権のアリエメニ外相は「港湾は作戦の範囲外。社会基盤を破壊するつもりはない」と説明した。世界食糧計画(WFP)によると、今のところ食糧搬入は継続している。

 イエメン内戦は、サウジが推すハディ暫定政権と親イランのフーシ派が対立し、中東で覇権を争う両国の事実上の「代理戦争」。イランがフーシ派への武器を密輸すると批判するサウジにとっては、ホデイダ制圧は内戦全体の戦況を左右する。イラン外務省のカセミ報道官は十四日、「政治解決の努力を台無しにする」と非難した。

 

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