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【国際】

習政権に入試問題すり寄り 作文テーマ 国家の発展言及を暗に促す

 【上海=浅井正智】中国全土で九百七十五万人が臨んだ全国統一の大学入試の作文試験で、国家の発展を肯定的に記述するよう暗に求めるテーマが数多く出題された。思想統制を強める習近平(しゅうきんぺい)政権に対し、入試問題もすり寄った格好だ。

 作文のテーマは地方によって異なる。河北省や広東省など十省が採用したテーマは「二〇三五年の手紙」。三五年になったら十八歳の若者に読んでもらう設定の作文だ。

 設問は「三五年には社会主義現代化を基本的に実現する」という習政権の政策目標を引き合いに出しており、普通の受験生なら優等生的な解答を書きたくなるところだ。

 雲南省や四川省など五省では「時は金であり、効率は命だ」という〓小平(とうしょうへい)氏の言葉や「緑水青山は金山銀山」(豊かな自然が財産の意味)という習氏の言葉など、改革開放に関わる三つのスローガンを並べ、自分の考えを絡めて書くよう求めた。今年は改革開放四十年だけに、否定的なことは書きづらい。

 北京の試験では「新時代の新成年−祖国が発展する中での成長を論じる」がテーマ。設問には「みなさんが二〇〇〇年に生まれて十八年間。祖国も絶えず発展してきた」と書き添えられており、国家の発展に言及した作文にすることを暗に求めている。

 中国の会員制交流サイト(SNS)には「出題者はゴマすりをして賞をもらいたいのだろう」「多くの受験生はこの手の問題を想定し訓練しているので喜んだはずだ」と皮肉のこもった書き込みが相次いだ。

 ※〓は登におおざと

 

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