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【国際】

中国、シェア自転車の墓場 過当競争倒産続出で空き地に大量廃棄

上海市内の空き地に運ばれ、廃棄されたシェア自転車=浅井正智撮影

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 【上海=浅井正智】中国で急速に広まったシェア自転車が繁華街や駅周辺にあふれ、空き地に廃棄される現象が各地で起き、社会問題になっている。中国政府が高速鉄道やモバイル決済、ネット通販と並ぶ「新四大発明」と自慢するシェア自転車は、社会の厄介者になろうとしている。

 上海市内のビルを取り壊した空き地に、おびただしい数の自転車が山積みされ「自転車の墓場」と呼ばれるようになった。壊れていない自転車も数多くあり、自撮りをしていた四十代の女性は「まだ使えるのにもったいない」と嘆いた。

 シェア自転車が登場した二〇一六年から各社は顧客争いを演じて自転車を大量投入。一七年末には全国二百都市に二千三百万台が配備されたが、過当競争のために倒産が相次ぎ、上海市内では昨年の十二社から現在は四社に激減した。

 あふれ出した自転車が交通の妨げになるトラブルも各地で起き、地方当局は迷惑自転車の回収に乗り出した。上海をはじめ北京や広州、深セン、武漢にも同じような「墓場」が出現した。廃棄自転車の総数は既に百万台を超えるといわれる。

 この自転車をどうするのか、明確な方針は決まっていない。中国の「行政強制法」によれば、回収・処理の費用は運営会社の負担になるが、倒産した会社には困難だ。回収自転車の引き取りを運営会社に求めると、引き取り率はわずか5%だったとのデータもある。

 激しい競争の結果、淘汰(とうた)が進むシェア自転車業界。それでも競争はやまず、運営会社の間では今、保証金免除のサービス合戦が盛んだ。一方で「既に払った保証金は返還されない」とのうわさが流れ、取り付け騒動も。シェア自転車運営にきちんとした「交通整理」が必要な時機に来ている。

 

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