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【国際】

モスクワ大にイベント会場 学生や教員抗議

 【モスクワ=栗田晃】サッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会で、試合中継などのイベント会場が国立モスクワ大学の構内に設けられ、学生や教員らが学業や生活の妨げになるとして反発している。しかし、プーチン大統領の号令下、国策として進められるW杯に、学生ら少数派の声はかき消されがちだ。

 スターリン時代の威容を誇る建造物として、観光名所でもあるモスクワ大。国際サッカー連盟(FIFA)は、いつもは学生らが憩う広場など約三万六千平方メートルのスペースを「ファンフェスタ」(ファンゾーン)の会場に指定。試合中継の大画面が置かれ、グッズ販売の巨大テントが並ぶ。

 モスクワ大の学生、教員は約五万人で、構内の学生寮には七千人が暮らす。入構規制で生活は不便になり、自然環境も破壊されることから抗議活動が続いてきたが、当局は会場の変更には応じなかった。

 「ファンゾーンは必要ない」。言語学部一年のドミトリー・ペテリンさん(18)は五月末、周辺の案内板に赤い塗料でそう書き込み、破壊行為の容疑で警察に一時拘束された。「正しくない行為だったのは分かっていたが、感情を抑えられなかった」と振り返る。

 プーチン政権は経済低迷の中、W杯開催に向けてインフラや会場整備に六千八百億ルーブル(約一兆二千二百億円)を投資したが、開催都市以外への恩恵は薄い。治安対策のため、五月下旬から集会やデモを原則禁止して警戒態勢を強めてきた。

 ロシアがサウジアラビアに圧勝した十四日の開幕戦では、フェスタの会場に満員の二万五千人が詰めかけ大騒ぎになった。ペテリンさんは「W杯開催に反対はしないが、学生らの生活に支障が出るのはおかしい」と批判を続けている。

 

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