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【国際】

「米の発言力 低下招く」 国連人権理からの離脱表明

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 【ニューヨーク=赤川肇】米国のトランプ政権は十九日、イスラエルを擁護する自国の主張が通らない国連人権理事会(四十七カ国)を「政治的偏向の巣窟だ」(ヘイリー米国連大使)と非難し、人権理からの離脱を表明した。だが、専門家からは多国間の人権問題を話し合う場は人権理以外になく、「離脱は米国の発言力を減衰させる」と、離脱を疑問視する指摘も上がっている。

 「イスラエルを北朝鮮やイラン、シリアより悪者として扱う人権理はバカバカしく、その名に値しない」。パレスチナ問題で人権理が三月にイスラエル非難の決議を採択した際、ヘイリー氏は人権理の存在意義を否定する声明を出した。

 しかし、国連の全加盟国による国連総会でも十三日、パレスチナ市民へのイスラエル軍の過剰な暴力を非難する決議が採択されるなど、パレスチナ問題を巡るイスラエル批判は国際社会の多数意見。必ずしも人権理の「政治的偏向」とはとらえられていない。

 十八日に始まった人権理では、米国内の人権問題もやり玉に。ゼイド人権高等弁務官は冒頭演説で、不法入国した親子を引き離して収容するトランプ政権の「ゼロ・トレランス(不寛容)」方針を「親の行為で子どもを罰している」と非難。これに対し、米国は「国連からも誰からも国境管理の方法で指図は受けない」(ヘイリー氏)と一顧だにしていない。

 人権理の特別報告者(極貧・人権担当)を務めるフィリップ・オールストン米ニューヨーク大法科大学院教授(国際法)は「大多数の国々が代え難い場とみる人権理からの離脱は、米国の発言力を減衰させる。人権理に残って建設的な対話に努める方が、よほど生産的だ」と苦言を呈する。

 グテレス国連事務総長は報道官を通じたコメントで「米国には人権理にとどまってほしかった」と無念をにじませた。

◆米の批判に中国反発

 【北京=共同】トランプ米政権が国連人権理事会からの脱退を表明したことについて、中国外務省の耿爽副報道局長は二十日の記者会見で「遺憾の意を表明する」と述べた。

 人権理は「人権事業の発展を共同で促進する重要な場所で、各国は皆、重視している」と主張。その上で「中国は国際人権事業の健全な発展のため貢献していく」と訴えた。

 米国が中国を名指しし、基本的人権を軽視する国々が理事会メンバーであると批判したことについては、「中国の人権事業は巨大な発展と進歩を遂げている」と述べ、反発した。

 

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