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【国際】

「全米で家族が引き裂かれようとしている」 不法移民問題 親子が会見

21日、ニューヨークの教会で「ママと離れて暮らすのは考えられない」と訴えるケナー君(左)と寄り添う母親のデボラ・バリオスさん=赤川肇撮影

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 【ニューヨーク=赤川肇】トランプ米政権はメキシコ国境から不法入国した親子を別々の施設に収容する方針を見直したが、親子が引き離されるとの懸念が国境沿い以外でも強まっている。米国で家庭を築いた不法移民が強制退去を迫られるケースが増えているためだ。

 「朝起きたとき、学校から帰ったとき、お母さんに会えなくなるのが怖い」。米東部ニューヨーク・マンハッタンにある築百二十年の教会で開かれた記者会見。母親デボラ・バリオスさん(32)に肩を抱かれ、米国生まれの長男ケナー君(10)が声を詰まらせた。

 バリオスさんは二〇〇五年、治安悪化や貧困のため、米国への不法入国者が最も多い国の一つ、中米グアテマラから逃れて来た。米国で結婚し、ケナー君と長女(2つ)を産み、家族でニューヨーク郊外に住みながらNPOの事務職として働いていたが、五月に長女と二人で教会に身を寄せた。強制退去を逃れるためだ。

 米移民税関捜査局(ICE)はオバマ前政権時代、不法移民の取り締まり対象を犯罪者にほぼ限定していたとされる。しかし一七年一月に誕生したトランプ政権は「標的は犯罪者だが、不法移民全体を除外しない」と方針を転換。一七年九月末までの一年間に国境沿い以外で強制退去となった不法移民は約八万一千人と前年から25%増え、罪を犯していない人に限れば約一万四千人と二・七倍となった。

 バリオスさんは二月にICEから三カ月以内の強制退去を迫られ、教会に助けを求めた。ICEは教会のような「崇拝の場」や病院、学校では原則、不法移民の身柄を拘束したり取り調べをしない方針だからだ。

 「私に子どもたちが必要なように、子どもたちにも私が必要。国境だけでなく、全米で家族が引き裂かれようとしていると知ってほしい」とバリオスさん。強制退去の不当性を訴え、司法判断を求めるという。

 ケナー君と同じように米国籍を持ち、不法移民の家族と暮らす十八歳未満は六百万人に上るとされる。「家族がいなくなるのがどれほどつらいか考えてほしい」とケナー君は訴えた。

 

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