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【国際】

EU向けハーレー 国外生産へ 米国の象徴受難 大統領保護主義が逆効果

 【ワシントン=白石亘】米国を象徴するブランドのひとつである米二輪車メーカー、ハーレーダビッドソンの受難が続いている。欧州連合(EU)からの報復関税を避けるため、国外に生産の一部を移す方針に、トランプ大統領の怒りは収まらない。国内市場が縮小し、海外に活路を見いだすハーレーにとって、トランプ氏の保護主義は逆風だ。

 「ハーレーは百パーセント米国にとどまるべきだ。私がこれだけやっているのに、この仕打ちか」。トランプ氏は27日もツイッターでハーレーたたきを続けた。25日は「関税はハーレーの言い訳にすぎない。我慢しろ」と不満をつぶやいていた。政権発足直後の昨年2月には、トランプ氏は「ハーレーは米国の象徴だ」などと持ち上げていたが、様変わりだ。

 国内生産を守るため、外国製品に高関税を課すというトランプ氏にすれば、国外への生産移転は裏切りと映っているようだ。だが、米紙は「見当違いの復讐(ふくしゅう)に関しては(米テレビ人気ドラマに出てくる)バイクギャングも大統領には太刀打ちできない」(ウォールストリート・ジャーナル)と皮肉っている。

 ハーレーの決断の背景には海外市場が極めて重要になっている事情がある。米国内での主な購買層の米ベビーブーマー世代(1946〜64年生まれ)は高齢化が進み、国内の売り上げは年々減少。こうした中、同社は海外のバイクファンを顧客として開拓しており、現在は売り上げの4割が海外からだ。さらにこれを将来5割に引き上げる計画。ハーレーが米国の次に大きい欧州市場を守ろうと躍起になるのはこのためだ。

 同社はこれまでもトランプ氏の保護主義に振り回されてきた。米メディアによるとハーレーは昨春、タイでの工場建設を決定した。当初、同社は環太平洋連携協定(TPP)を前提に、米国工場から低い関税で東南アジアに輸出する計画だったが、トランプ氏がTPP離脱を決定。米国からの輸出だと現地価格が高くなってしまうためだった。

 トランプ氏はタイ工場についても「関税や貿易戦争を言い訳に使っているだけだ」と批判している。

 

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