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【国際】

新聞社に強い復讐心か 米銃撃 容疑者、記事巡り敗訴

ジャロッド・ラモス容疑者=ロイター・共同

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 【アナポリス=石川智規】米東部メリーランド州アナポリスの新聞社キャピタル・ガゼットの編集室で男が銃撃し五人が死亡した事件で、司法当局は二十九日、地元警察が拘束した同州在住のジャロッド・ラモス容疑者(38)を殺人容疑で訴追した。米メディアは、容疑者がキャピタル紙のコラム記事を巡って強い復讐(ふくしゅう)心を抱えていたと指摘した。

 地元警察当局は二十九日の記者会見で、ラモス容疑者は「合法的に購入したショットガンで犯行に及んだ」と明かした。家宅捜索の結果、容疑者が「銃撃を計画していたことを示す物証があった」としたが、物証に関する具体的な言及は避けた。当局は容疑者がキャピタル紙に個人的な恨みを募らせていたとみて、詳しい動機の解明を進める。

 米ワシントン・ポスト紙などによると、容疑者は二〇一一年のキャピタル紙コラムで名誉を傷つけられたとして同社を一二年に提訴したが、一五年に敗訴した。コラムは、容疑者が女性に対して行っていたセクハラ事件に関する内容だったという。

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 容疑者とみられるツイッターには、一五年を中心にキャピタル紙や裁判官を名指しで非難する投稿が相次いでいた。ポスト紙は当局者の話として「男がキャピタル紙に対する復讐心を抱えていたのは明白だ」と報じた。

 キャピタル・ガゼット社は、日刊紙キャピタルと週二回のメリーランド・ガゼットを発行している。言論・報道機関への銃撃事件に対し、米社会で衝撃が広がっている。

 ニューヨーク・タイムズ紙は「銃乱射事件にマヒしたこの国で、学校や映画館、教会ではなく報道機関を狙った事件は非常にまれだ」と問題視。ワシントン・ポスト紙は記者が襲撃に巻き込まれた事件として、数十年間で過去最悪の死傷者数だったと指摘した。

 二十九日付のキャピタル紙は一面で「五人が撃たれ死亡」と事件を詳報。社説では「本日はあえて白紙とし、犠牲者にささげる」との文と五人の名前を掲載した。「明日からは平常通り、市民の生活がより良いものになるための主張を掲げる」という。

 

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