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【国際】

フィリピン・ドゥテルテ政権2年 強さ示し人気維持

 【バンコク=北川成史】フィリピンのドゥテルテ大統領(73)が就任して六月三十日で二年になった。イスラム過激派との戦闘などで強いリーダー像を示して国民の人気を維持しつつ、南シナ海問題では領有権を争う中国との決定的対立を避けて実利を優先。一方、容疑者の殺害を辞さぬ薬物対策では、人権を巡る国際社会との溝が埋まらない。

 世論調査機関SWSによると、三月の調査で、ドゥテルテ政権に「満足」と答えた人は69%。「どちらでもない」が18%で、「不満」は11%にとどまる。

 項目別で評価が高かった「テロとの戦い」では、昨年五月に南部ミンダナオ島で起きたイスラム過激派との戦闘を約五カ月で終えた。今年五月には、同島にイスラム自治政府の樹立を認める「バンサモロ基本法」を国会が可決。約五十年にわたる同島のイスラム勢力との対立で、穏健派との和解を進め、過激派を抑止できるかどうかの転換点を迎えている。

 中国が人工島造成で軍事拠点化を進める南シナ海問題では、カエタノ外相が五月、「中国が一線を越えたら大統領は戦闘を始める」とくぎを刺したが、踏み込んだ動きはない。中国から経済支援を得る代わりに、問題を「棚上げ」する姿勢は変わっていない。

 「麻薬戦争」と呼ばれる薬物対策は、物議を醸し続ける。警察の統計では、ドゥテルテ氏就任から四月末までに、捜査に絡み四千二百人余りの容疑者を殺害した。人権団体は死者を一万二千人以上と推計する。

 オランダ・ハーグにある国際刑事裁判所(ICC)は「人道に対する罪」に当たらないか予備調査に乗り出したが、ドゥテルテ氏は三月、ICCからの脱退を表明。撤回しない限り来年三月に脱退となる。政治アナリストのラモン・カシプル氏は「ドゥテルテ氏は欧米がICCを利用し、自分たちを攻撃していると信じている。任期終了まで『麻薬戦争』を続ける」との見方を示す。

 

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