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【国際】

タイ洞窟、少年ら地形熟知か 温かい環境 体力温存

 赤いユニホーム姿のサッカー少年たちが暗闇の中、身を寄せ合うように座っている。タイ海軍の特殊部隊が3日、フェイスブックで公開した13人発見の瞬間をとらえた映像。「おなかがすいた」。少年の一人が訴えた。

 少年らは食料と水の不足に加え、低体温症や酸素欠乏症などが懸念されていた。少年6人が通う学校のカネット校長(55)によると、一人が行方不明当日の6月23日が誕生日。「誕生日会を洞窟内で開こうとしていたのでは」と話す。少年らは菓子や飲料水を店で買い込んで洞窟に入ったといい数日間は食べつなぐことができた可能性がある。洞窟内にしたたり落ちる雨水を飲み水として確保できたことも奏功した。

 タイのメディアによると、コーチ(25)は以前にも少年らと洞窟を訪れたことがあり、避難場所など洞窟の地形も熟知していたとみられる。洞窟内の温度も比較的高く、半袖のユニホームでも持ちこたえられた。洞窟上部には約20カ所の縦穴が確認され、酸素も供給されていたようだ。

 だが、洞窟外への脱出は困難を極める。タイ英字紙ネーションによると、洞窟の水路は曲がりくねり、幅が狭く「最もダイビングが難しい洞窟の一つ」。熟練のタイ海軍特殊部隊でさえ、進むのに6時間かかるとされ、少年らも十分な装備と訓練が必要となる。

 山の中腹から洞窟上部に穴を掘ることも検討されているが、少年らが閉じ込められている場所につながる兆候は今のところない。歩いて脱出するのが最も安全だが洞窟内の排水が課題。4カ月分の食料を準備するのは、救出作業が長期化する可能性を示す。

 少年らを見つけたのは英国人潜水士。英BBC放送によると、ウェールズの慈善団体「洞窟救助チーム」の二人。職業は消防士とITコンサルタントという。英国は海岸線に多くの洞窟があり、内部の探検が人気レジャーの一つで、チームは1946年に結成された。これまでも世界中から救助要請があり、その実績から今回の潜水士の一人は大英帝国勲章を受けている。 (チェンライ・山上隆之、ロンドン・沢田千秋)

 

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