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【国際】

W杯8強に沸くロシア 愛国心増進 和らぐ政権批判

 【モスクワ=栗田晃】サッカーのワールドカップ(W杯)で、強豪スペインを破り、旧ソ連以来四十八年ぶりのベスト8入りを決めたロシア。「史上最弱の開催国」とされた低評価が一変し、国内は快挙に沸く。プーチン政権はW杯の陰で国民が反発する年金改革を進めており、その意味でも躍進を歓迎すべき状況にある。

 ロシアがPK戦の末、スペインを下した一日夜、モスクワ市中心部では「第二次大戦での対ドイツ勝利並み」(ペスコフ大統領報道官)の歓喜の騒ぎが続いた。新聞やテレビのニュースもW杯一色だ。

 ペスコフ氏によれば、プーチン大統領も試合後、チェルチェソフ監督を電話で祝福した。大会前の国際サッカー連盟(FIFA)ランキングは出場三十二カ国で最下位の七十位。一次リーグ敗退の恐れもあっただけに、プーチン氏も「スポーツで最も重要なのは結果。結果とは勝利だ」とたたえた。

 開幕前、冷淡だった国民の関心も急上昇。愛国心をあおられ、モスクワ市内のグッズ通販業者は「国旗やユニホームの販売は開幕前の二、三倍に増えた」と声を弾ませる。

 政権にとっても好都合だ。W杯が開幕した六月十四日、年金受給年齢を男性は六十歳から六十五歳に、女性は五十五歳から六十三歳に段階的に引き上げる法案を提出。不人気政策から注目をそらしたはずだったが、全ロシア世論調査センターによれば、プーチン氏の支持率は十四日の78%から、十九日には60・6%まで急降下していた。

 そこでまさかのスペイン撃破。一日には野党指導者ナバリヌイ氏らが呼び掛けた年金改革反対デモが行われたが、大きな話題にはならず、政治学者のアレクセイ・マカルキン氏も「W杯が政権批判を和らげる効果はある」と指摘する。

 一方で「(準々決勝の)クロアチアに負けたら気分は冷める。年金改革の議論が本格化する秋には国民の気持ちは変わっている」と効果は一時的なものとみる。

 

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