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【国際】

神経剤で英国人男女重体 街に猛毒住民不安

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 【ロンドン=沢田千秋】英南部エームズベリーで英国人男女二人が神経剤ノビチョクにより意識不明になっている事件は、同種の神経剤が使われたロシアの元情報機関員の暗殺未遂事件から四カ月後に起きた。両事件の現場間は約十三キロ。軍用の強力な神経剤がいまだ街にあったことに住民の間には不安が広がる。

 事件を受け、ジャビッド内相は五日、英議会下院で「男女二人は三月の事件後の除染場所以外で神経剤に触れた可能性が高い」と表明。改めて三月の事件はロシアの関与が濃厚と非難し「サッカー・ワールドカップで世界の目が向いている今こそ、ロシア政府は何が起きているか説明すべきだ。故意でも不作為でも、われわれの国に毒を投棄することは全く受け入れられない」と強調した。

 一方、英紙ガーディアン(電子版)によると、ロシアのペスコフ大統領報道官は五日、事件へのロシアの関与を否定した。

 男女二人は六月三十日、エームズベリーの民家で相次いで意識を失った。英BBC放送は友人の話として、発症時、女性は口から泡を吐き、男性は汗をかいてよだれを垂らし、奇声を上げていたと伝えた。

 三月の事件後、英政府は数百万ポンド(数億円)をかけ、被害者が立ち寄った場所など九カ所のホットスポットを除染した。英紙テレグラフは、今回の神経剤が「未発見のホットスポットにあったか、除染前に人の靴などに付着し移動した可能性がある」としている。

 英国人男女が立ち寄った公園や教会など六カ所は閉鎖されており、英保健当局は「一般市民への危険性は低い」としつつ、閉鎖中の施設に行った市民に衣類の洗浄を呼び掛けている。

 元英軍の指揮官で神経剤に詳しいフィリップ・イングラム氏は、ノビチョクの毒性が四カ月間続いても不思議はないと指摘。「持続性が非常に高く、容易に分解しない上、無色無臭で発見を困難にするよう開発されている。警察当局が汚染物や汚染場所を特定しない限り、市民は危険にさらされ続ける」と警告した。

 

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