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【国際】

英ジョンソン外相も辞任 EU離脱巡り対立 強硬派重鎮

 【ロンドン=阿部伸哉】英国の欧州連合(EU)離脱方針を巡るメイ政権内部の対立が激化し、強硬離脱派の筆頭格であるジョンソン外相が九日、辞任した。前日にはEUとの交渉を率いてきたデービスEU離脱担当相が辞任しており、「ソフト・ブレグジット」(穏健離脱)路線採用を決めたメイ首相に対する倒閣運動に発展する可能性が出てきた。

 首相官邸はデービス氏の後任に、強硬離脱派のラーブ住宅担当閣外相を充てる人事を発表してジョンソン氏らへの配慮をみせたが、奏功しなかった。ジョンソン氏と意見が近いフォックス国際貿易相の動向が注目されている。

 「英国は(EUとの交渉で)あまりに多くを簡単に譲りすぎている」。デービス氏は九日朝、BBCのラジオ番組に出演し、辞任理由を説明。「首相のプランを実行するには私は適任ではない」と話した。

 メイ政権は、日系メーカーら外資系が強い自動車業界などから、EUの経済的な枠組みに残るよう突き上げを受けている。自由な往来が保証されているEU加盟国のアイルランドと英領北アイルランドとの国境の扱いも妙案がない。

 メイ氏は六日の閣議で、北アイルランド国境問題も念頭に、EUと規則を共通にした「自由貿易圏」構想を離脱交渉方針とすることを決定した。しかし「完全離脱」を目指す保守党議員らは「EUへの従属が続く」と反発。九日夜にはメイ氏が与党下院議員に方針を説明するが、一部から辞任要求が出るとの報道もある。

 メイ氏は九日の下院本会議の党首討論で「製造業のサプライチェーン(部品供給網)を維持するためには、自由貿易圏が必要」とあらためて強調した。

 英国のEU離脱を予定通り来年三月に実現するためには、今年十月にはEUと基本合意に達する必要がある。交渉を二年にわたって担当してきたデービス氏が辞任し、少数与党を率いるメイ氏が党内分裂に陥れば、EUとの交渉どころではなくなる。EUの欧州委員会報道官は「時間は迫っており、われわれはいつでも交渉に応じる」とだけコメントした。

 

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