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【国際】

きょう1年ぶり米ロ首脳会談 「新たな冷戦」改善焦点

(左)トランプ大統領=ゲッティ・共同 (右)プーチン大統領=共同

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 【ヘルシンキ=栗田晃】米国のトランプ大統領とロシアのプーチン大統領は16日、フィンランドの首都ヘルシンキで、1年ぶりの首脳会談を行う。ロシアによる2016年の米大統領選介入疑惑などで、「新たな冷戦」と呼ばれるほど両国の関係が悪化する中、改善に向けた一歩を踏み出せるかが焦点となる。

 「競争相手だが、敵ではない。いつか友人になることを期待している」。トランプ氏は十二日、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議後の記者会見で、プーチン氏との関係をそう語った。

 プーチン氏も今年三月の米テレビ局とのインタビューで、トランプ氏について「責任を持って決定し、強い指導力がある」と評価。米ロ関係改善への期待感を示してきた。

 ロシアとの関係改善を掲げて大統領就任したトランプ氏。しかし、米大統領選にロシアが介入したとされる「ロシア疑惑」が足かせとなり、プーチン氏との会談は昨年七月、ドイツ・ハンブルクでの二十カ国・地域(G20)首脳会合の際に行われた一度きりだ。昨年十一月にベトナムでも計画されたが、直前に見送られた。

 トランプ氏は今年三月、大統領選に再選したプーチン氏に電話して祝意を示し、首脳会談を提案。国際的孤立の解消を狙うプーチン氏側も応じ、ヘルシンキでの会談がセットされた。

 トランプ氏は今回の会談のテーマとして、核軍縮、シリア内戦、ウクライナ問題などを挙げる。

 一方、米ロ双方とも近年、相手への警戒強化を理由に軍備増強を進めてきた。二一年に期限切れが迫った新戦略兵器削減条約(新START)の延長や、米国がロシア側の順守違反を指摘する中距離核戦力(INF)廃棄条約について、協議が深まるかも注目される。

 ロシア疑惑を巡っては、米国が十三日、ロシア軍の情報当局者十二人を起訴。トランプ氏も会談でこの問題を取り上げる意向だが、ロシア側は選挙への介入を一貫して否定しており、プーチン氏も従来の見解を繰り返すとみられる。

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◆ロシア科学アカデミー・バチュク氏に聞く

 米ロ首脳会談の見通しについて、ロシア科学アカデミー米国カナダ研究所のウラジーミル・バチュク軍事・政治調査センター長に聞いた。 (聞き手・栗田晃、写真も)

 米ロ関係が悪化してきた中で、両首脳の本格的な首脳会談を実施すること自体が成果といえる。関係改善は段階的に進むもので、今回は大きな合意に向けた期待は持っていない。

 米大統領選にロシアが介入したとする問題については解決が非常に難しい。ロシア側は介入を一切認めていない以上、(今秋にある)米国の中間選挙に向け、今後介入しないと約束するにしても、どのような内容になるか見えない。

 シリアでのイランとイスラエルの軍事衝突回避や、朝鮮半島の非核化、ウクライナ東部の調停活動は両国間で立場を近づけやすく、何らかの協調が決まるかもしれない。核軍縮も世論の分裂を生まないテーマだ。両首脳とも軍拡競争は望んでおらず、相互理解を進めたいと思っているだろう。

 トランプ氏が就任した一年半前にはあった、ロシア側の期待は消えうせている。クリミア半島のロシアへの編入容認や、ロシアに対する経済制裁解除について、トランプ氏個人では何もできないことを、ロシアもよく理解している。トランプ氏が首脳会談で突発的な発言をするかもしれないが、周りからブレーキがかかるのは目に見えている。

 とはいえ、両国は軍縮や地域紛争の解決で協力すべき立場にある。両首脳の意思だけで物事は進まなくても、会談は世界へ向けた良いニュースになると思う。

 

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