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【国際】

米ロ首脳会談 核軍縮合意へ模索 条約延長しても交渉多難

16日、フィンランド・ヘルシンキで記者会見するトランプ米大統領(左)とロシアのプーチン大統領=AP・共同

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 【ヘルシンキ=栗田晃】十六日にヘルシンキで行われた米ロ首脳会談で、二大核大国の指導者として核軍縮問題を協議したトランプ米大統領とプーチン大統領。両者とも問題解決への意思を示したが、両国の相互不信の根は深く、現実の核兵器削減交渉は容易ではない。

 トランプ氏はプーチン氏との会談冒頭、「われわれは世界の90%以上の核戦力を保有する二大核大国であり、それは良いことではない。核兵器は負の戦力で、何とか対処できると期待している」と強調した。トランプ氏は十三日の訪英時、米ロ首脳会談のテーマとして核兵器拡散問題の重要性を強調し、「何かできれば、大きな成果になる」と示唆していた。

 プーチン氏も昨年十月の国際会議で「ロシアも全世界の核軍縮を望んでいる」と述べており、トランプ氏の方針とは大筋では一致していた。

 米ロ核軍縮での最優先課題は、二〇二一年に期限を控えた新戦略兵器削減条約(新START)だ。オバマ前政権時の一〇年に米ロ間で調印され、戦略核弾頭の配備数を千五百五十まで削減するなどの内容で、今年二月までに米ロ双方が達成した。両国の合意で延長は可能だが、ロシアによるウクライナ南部クリミア併合や、トランプ氏が当選した米大統領選へのロシアの介入疑惑などにより、米ロ関係は極度に悪化。オバマ前政権の業績を否定したいトランプ氏の意向も重なり、協議入りのめどは立っていなかった。

 両首脳による合意の一方、核軍縮に向けては路線変更も必要だ。トランプ政権は新核戦略指針「核体制の見直し(NPR)」で、ロシアに対抗して小型核開発を推進する方針を打ち出し、軍拡競争も辞さない姿勢。冷戦末期に旧ソ連との間で結ばれた中距離核戦力(INF)廃棄条約に、ロシアが違反しているとの批判も強めてきた。

 プーチン政権も米国が推進するミサイル防衛(MD)網の目的はロシアの核戦力の無力化だと懸念し、最新型の戦略核兵器開発を進める。

 プーチン政権に近いロシアの外交評論家フョードル・ルキヤノフ氏は「互いの譲歩があるとすれば、米ロ両国に共通の目標がある時だが、現在は信頼関係がなく、同じ目標は見えていない」と、交渉の早期進展に否定的な見方を示す。

 

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