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【国際】

タイの救出少年ら退院、会見 「近づいたら潜水士、奇跡だった」

18日、タイ・チェンライで、ユニホーム姿で記者会見に臨み、手を合わせて感謝の気持ちを伝える少年ら。前列左端はコーチ=共同

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 【バンコク=山上隆之】タイ北部チェンライ郊外のタムルアン洞窟から奇跡的に救出された地元サッカーチームの少年ら十三人は十八日に退院し、そろって会見した。所属チーム名の「ムーパー(イノシシの意味)」にちなんだユニホーム姿で登場し、回復ぶりをアピール。世界各国が支援した救出活動に改めて感謝の言葉を述べた。

 少年らは順にマイクを持ち、名前と年齢、ポジションを自己紹介。英国人潜水士に発見されたときの様子を問われ、アドゥル君(14)が「人の声がして近づいてみたら潜水士がいた。英語で『ハロー』と話し掛けられ、タイ人ではなかったのに驚いた。奇跡だった」。

 男性コーチのエカポンさん(25)は「みんなで話し合い、洞窟で遊ぼうと。一時間で帰るつもりだった」が水が入って戻れなくなり、「水が滴り落ちる場所で待つと決め、水だけで過ごした」という。最年少のチャニン君(11)は「おなかがすいて、貧血になった。食べ物のことを考えないようにした」と振り返った。

 少年らが誕生日を祝うため洞窟内に菓子を持参した可能性があるとの情報があったが、会見では語られなかった。脱出する順番はコーチと潜水士が相談して決め、「自宅の遠い少年からだった」と明かした。

 会見では、救出活動中に死亡した元海軍特殊部隊の潜水士(38)の似顔絵に寄せ書きしたメッセージを読み上げた。少年らは将来の夢として「サッカー選手」を挙げ、四人が「海軍特殊部隊の潜水士になって人を助けたい」と話した。

 会見に先立ち、当局は質問内容を事前に提出するよう要請した。救出後、取材に初めて応じる少年らにとって、精神面で負担になるような質問は避けたいとの配慮とみられる。

◆FIFA招待に壁 4人無国籍と地元報道

 【バンコク=山上隆之】タイ北部の洞窟から救出されたサッカーチームの十三人のうち十三〜十六歳の少年三人と男性コーチ(25)が無国籍者だと地元メディアが報じ、波紋を広げている。少年らには国際サッカー連盟(FIFA)などから外国への招待が届いているが、移動の自由が制限されているため、タイ当局の対応が注目を集めている。

 タイでは北部の山岳地帯に住む少数民族を中心に無国籍者が多く存在する。地元メディアによると、四十八万人に上るとの統計もある。無国籍者は学校に通うことはできるものの、旅券を持てず、居住地区以外に出かける際も当局の許可が必要。このため少年らのチームは試合の遠征も制限されていた。

 FIFAは九月にロンドンで開く年間表彰式に少年らを招待したいとの意向を表明した。

 タイ当局者は十八日の会見で「現在手続きをしている」と話し、少年らが招待を受けられる可能性も出てきた。

 

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