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【国際】

政権圧力「政治への無関心進む」 反プーチン派前市長、直接選挙廃止で抗議辞任

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 ロシアでは数少ないプーチン政権に批判的な地方首長の代表格だった、中部エカテリンブルクのエフゲニー・ロイズマン市長(55)が五月、辞任した。政権の意向をくんだ地方議会が市長の直接選挙廃止を決めたことへの抗議が理由。「有権者に責任を持つ市長がいなければ、政治への関心がなくなる」と危機感を訴える。

 (エカテリンブルクで、栗田晃、写真も)

 エカテリンブルクは人口百四十万人のウラル地方の中心都市。サッカー・ワールドカップ(W杯)の会場にもなり、日本代表も試合を行った。

 ロイズマン氏は二〇一三年、初めて直接選挙が導入された市長選で当選後、W杯準備や市民マラソン創設など国際都市を目指し新たな政策を打ち出した。「市長室のドアを常に開け、誰もが自由に話せる雰囲気をつくった。ロシアの百万都市の中で最も優れた都市になった」と胸を張る。政権の腐敗を追及する野党指導者ナバリヌイ氏が主導するデモにも公然と参加した。

 危ぶんだ政権は、市長選の方法を知事が決められるように地方自治法の改正を進めた。ロイズマン氏は反対集会を開くなど抵抗したが、エカテリンブルクが属するスベルドロフスク州議会は四月、政権に従順な現知事が提出した、市長を候補者名簿から議員が選出する方式への変更案を可決した。

 政権からの圧力について「長年続き、意識しないほどごく普通に行われている」と言う。三月の大統領選はナバリヌイ氏の立候補が却下され、プーチン氏が圧勝で再選。「選挙ではなく再信任。誰も黒を白とは言えないが、『もっと悪くならなければいい』という考えがまん延している」と嘆く。

 民主化のため「公正な選挙」と「独立した司法」の実現が持論。「必要とされていると感じれば、動く。故郷エカテリンブルクが私の基盤だが、何かが起こる機運が高まれば、国政参加も辞さない」と再起に意欲を見せる。

<エフゲニー・ロイズマン> 1962年生まれ、99年に麻薬撲滅団体を創設して活動。2003年に下院選に当選し、1期務める。13年9月のエカテリンブルク市長選で政権派候補を破って当選。約5年後の18年5月、辞任した。

 

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